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Japan|社員数が10年間で3分の1になった三陽商会の行方

Feb 26, 2019.久米川一郎Tokyo, JP
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12月本決算企業の発表が続いたが、アパレル業界では、三陽商会の決算が実に厳しいものになった。

売上高590億9000万円(前年比−5.5%)、営業赤字21億7600万円、経常赤字19億5000万円、当期純損失8億1900万円と減収赤字決算。当初この期こそ黒字化という見込みだったが、またしても赤字。黒字化は今期に持ちこされた。今期は、売上高620億円、営業利益4億円、経常利益6億円、当期純利益5億円を予定している。同社にとっては今年はまさに正念場と言えるのではないだろうか。

周知のように2015年春でライセンス契約していた主力ブランドの「バーバリー(Burberry)」が契約終了。この後4年が経過しているが、なかなか黒字化のメドがたたない。同社は350拠点あった「バーバリー」の売り場のうち260拠点を「マッキントッシュ ロンドン(Mackintosh London)」に切り替えたが、その1拠点当たりの売り上げは「バーバリー」の半分に届くか届かないかという水準だ。苦境を予想し2013年にはすでにライセンス打ち切りを前にして、270人の早期退職募集&実施。そして2016年にも249人の早期退職募集&実施、さらに昨年9月に3回目として250人の早期退職募集を行った。2008年12月には2001人いた正社員は、2018年12月末には今回の250人の希望退職者(想定)を含めると740人程度になる。簡単に言って3分の1の正社員数である。「ここまでして会社は存続しなければならないのだろうか。一体、この会社は誰のためにあるのだろうか」と残った社員の脳裏には疑問が浮かぶのではないだろうか。

この3回目の早期退職に加えて、同社は2月14日、中瀬雅通・同社相談役の会長復帰を発表。同氏は同社創業者の吉原信之氏の娘婿で1993年から同社社長、2000年から代表取締役会長、前述した2013年の早期退職者募集の際に、「けじめ」と称して相談役に退いていた。今回は代表権のない会長だが、6年ぶりの復帰となる。取締役会の招集や議長も務められるようにするという。岩田功・社長が業務に専念できるようなサポート役を期待している。岩田社長は「批判もあるだろうが使える力は全て活用する」と今回の復帰を話しているという。なにやら太平洋戦争時の一億玉砕的なムードすら漂い始めているのだが、起死回生の秘策はあるのか。レナウンを子会社化(出資比率53.35%)した山東如意科技集団のように日本のアパレルの技術を盗みたいのなら三陽商会の技術は日本のアパレルメーカーでは最高の水準にあるが、そうならないことを祈るばかりである。

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