
横編機メーカー大手の島精機製作所は10月31日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は前年同期比22.5%増の180億9200万円、営業利益は7900万円の赤字(前年同期19億3800万円の赤字)、最終利益は6億7200万円(前年同期21億2400万円の赤字)となり、売上の大幅増加に加え、最終利益が黒字転換した。前期に142億円超の最終赤字を計上していた同社にとって、経営再建の兆しが見える結果となった。
黒字化の原動力となったのは、主力事業であるホールガーメント横編機を中心とした横編機事業の回復だ。海外市場では、バングラデシュの生産拠点が政情不安からの回復を受け販売台数が増加。中国市場では大手顧客による設備更新需要が堅調に推移し、売上の拡大につながった。また、イタリア市場でもホールガーメント横編機や成型機の販売が倍増し、グローバルでの需要回復が業績に寄与した。結果として、横編機事業の売上高は前年同期比35.2%増の134億8200万円と、大幅な増収を記録した。
島精機製作所は2024年10月より役員報酬の減額を実施している。経営環境は回復の兆しを見せつつあるが、依然として慎重な対応が求められるとの判断から、2026年3月まで減額を継続する方針を示した。
通期業績予想は、売上高を前年比36.8%増の445億円、営業利益を15億円(前期119億円超の赤字)、最終利益は20億円の黒字(前期142億7500万円の赤字)を見込んでおり、島精機製作所はようやく反転攻勢に転じつつある。今回の中間決算で示された黒字化は、株主や取引先にとってもポジティブな材料であり、業界内での存在感を再び高める契機となりそうだ。









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