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デサントが約30億円を投じて「水沢ダウン」を生産する岩手県の水沢工場を建て替え

May 28, 2024.高村 学Tokyo, JP
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デサントは5月24日、「水沢ダウン」を生産する岩手県奥州市の水沢工場の建て替え工事を実施するにあたり、地鎮祭を行った。水沢工場は1970年に操業を開始し、これまで野球のユニフォームやスキーウェア、JRA(日本中央競馬会)の騎手用の防護ベストなど、機能性が高く複雑な構造のアイテムを生産してきた。

なかでも水沢工場の代名詞と言えるのが、2008年に誕生した「水沢ダウン」だ。寒冷地でも保温性に優れ、防水性、耐水性を備えたダウンジャケットだが、もともとはバンクーバーで開催された2010年冬季オリンピックに出場する日本選手団のために開発された。すべての工程において職人の手仕事によって作られているのも「水沢ダウン」の大きな特徴だ。

新設される水沢工場は、鉄骨造1階建てで工場の面積は約5,098平方メートル。約30億円を投じて現在の工場の約1.5倍に拡張する。これまでは複数棟に分かれていた工程をワンフロアに配置し、完全バリアフリー設計にすることで、動線の改善につながり、より効率的な生産が可能となる。

外観はこの地域に見られる古くからの木造の蔵からインスピレーションを得た三角形の屋根が連続しており、富山県の砺波平野、島根県の出雲平野、水沢がある胆沢平野の日本三大散居集落に数えられるこの地域特有の美しい風景と調和している。また、工場の外壁や休憩室の床、造作家具などには地場産の木材を使用し、木材が持つ熱を伝えにくいという機能性、周辺の景観との調和、素材としての親しみやすさを活かしたデザインに仕上がっている。さらに、現在121名いる従業員のうち9割が女性従業員であり、化粧室の増設など働きやすい環境を目指すという。竣工は2025年7月を予定している。

地鎮祭には、デサントの小関秀一社長を始め、岩手県の佐々木淳副知事、奥州市の倉成淳市長、水沢工場の杉浦剛工場長らが参加し、工事の無事を祈願した。小関秀一社長は、「1970年に東北デサントとしてスタートし、50年以上続けてこられたのは地元の皆さまのご支援のおかげだと、この場に来て実感しています。1970年頃のアパレル産業は、ほぼ100%が日本製でした。20年後の1990年には、ちょうど半分が輸入品に、そして現在では日本製はたった1.5%になりました。この流れは今後も続き、将来は1%、0.5%になるかもしれません。そのような中で国内工場に約30億円もの投資をするのは世間とは真逆の動きになります。従業員も海外からの研修生が多くなっているなか、当社の3つの国内工場、水沢工場をはじめ奈良県の吉野工場、宮崎県の西都工場はいずれも地元の方を採用しています。このようにメイドインジャパンが難しくなる中でも、私たちは日本でしかできないモノづくり、世界で最高のモノづくりにこだわっています」とコメントしている。

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