South Africa｜国際動物愛護団体が虐待を告発、南アフリカのモヘア産業

2018年5月2日、国際動物愛護団体のPeople for the Ethical Treatment of Animals（以下PETA）はモヘア南アフリカ協会（Mohair South Africa、以下Mohair SA）に所属する12名の生産者が故意にヤギの喉を引きずり切断している映像とレポートを発表し、動物残虐行為を批判した。

「TOPSHOP（トップショップ）」などで知られるArcadia Group（アルカディアグループ）、H＆Mグループ、インディテックス、北米4800以上の店舗で「Ann Taylor（アン テイラー）」や「Justice（ジャスティス）」を展開するAscenaリテール・グループ、「Vero Moda（ヴェロモーダ）」や「Noisy May（ノイジー メイ）」を擁するBESTSELLER Group（ベストセラーグループ）など、ファッション業界の60以上の小売企業はこの非道な行為に対し、2020年までモヘア製品の販売を中止することを決定した。
 
南アフリカのモヘア産地は世界の供給量の50％を生産していて、年間約15億南アフリカランド（約238億円）の利益を生み出している。動画でコメントしているMohair SAの生産者からは、PETAの発表に虚偽の表現があると主張し、虐待の疑いのあった12の農場のうち2カ所のみ特定。今回虐待行為をしたのはMohair SAが抱える生産者の0.2％に当たるという。 Mohair SAのデオン・サーマン（Deon Saayman） CEOは、「報告と映像の多くは事実と異なり、南アフリカモヘア業界に多大な誤解を招く内容だ。我々は、問題を直接的かつ迅速に解決するための調査を開始した」と公式発表した。