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セクハラ事件の石川康晴ストライプ社長は辞任しなくてよいのか?【後編】

Mar 5, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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SiEEDに登壇する石川康晴社長

勉強熱心で社員思いのカリスマ経営者の次の大きな目標は、ストライプインターナショナルの上場であった。これには何度かチャレンジしているものの、なかなか結果が出せていない。「〇〇までには上場したい」という石川社長の宣誓はすでに2度や3度ではない。2018年1月期には決算公告で初めて損益計算を公開したが、その内容は単体で売上高919億7200万円、営業損益は15億900万円の赤字、最終損益も14億4600万円の赤字という惨憺たるものだった。連結売上高は1330億円、226店を新規出店し、期末店舗数は1456店で出店効果が出ていない。初めてヴェールを脱いだ格好だったが、こんな数字では当面上場は難しいばかりか、かなり行き詰まっている印象をうける。次の成長エンジンとして注力している中国主力の海外事業は赤字だし、ストライプインターナショナル77.8%、ソフトバンクが22.2%を出資して、ゾゾタウンに並ぶファッションECモールを目指して2018年2月にスタートした「ストライプデパートメント」も進捗は芳しくないようだ。

その反面、石川社長は、前述しているように内閣府からも経産省からも一目置かれるような存在になっており、私財を投入した2010年創設の「オカヤマアワード」、石川社長の所有するアートコレクション「石川コレクション」をメインにした「オカヤマアートプロジェクト」や「オカヤマアートヴィレッジプロジェクト」などは地元岡山における石川社長の地位向上に大きな役割を果たしている。2017年には、20億円を投じて岡山大学に人材育成のための講座開設とその拠点となるホール建設を行う包括協定を締結した。

そうした中での、今回のセクハラスキャンダルである。疑問なのは、これはすでに2018年に終わっていることではあるが、社外取締役、社外監査役、弁護士が出席した査問会で「厳重注意」に終わっていること。問題になった4件を石川社長は認めているというが、オーナー社長とは言え、最低でも減給を含む戒告が妥当であろう。セクハラというより被害女性が訴えれば十分に刑事事件になる内容がありそうだから、もしそういう事態になれば、辞任してもおかしくはない。なんといっても、社員に対するセクハラというのが致命的ではないのか。しかし、3月5日付けの共同通信の記事によると、査問会では社員らとの距離の近さに問題があるとして厳重注意があったものの、それらの行為がセクハラに当たるとは認められなかったという。社外取締役の大西洋・三越伊勢丹ホールディングス前社長や出井伸之・元CEOの目は節穴なのか、それとも倫理観があまりにもユルいのか。

かつては、女性社員を過労死させ、今度は女性社員へのオーナー社長のセクハラスキャンダルと、ブラック企業であったりピンク企業であったりするこのストライプインターナショナルに未来はあるのだろうか。石川社長は妻帯者であり、それなりの倫理が求められようが、社員相手というのはどうにもこうにも言い訳がたたない。石川社長には猛省を促したいものである。

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