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セクハラ事件の石川康晴ストライプ社長は辞任しなくてよいのか?【前編】

Mar 5, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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SiEEDに登壇する石川康晴社長

ファッション業界のカリスマ経営者と言ってもいいかもしれない。そのカリスマであるストライプインターナショナルの石川康晴社長(1970年12月15日生、49歳)が複数社員にセクハラ行為をしたとして、2018年12月に同社で臨時査問会が開かれて厳重注意を受けていたことが3月4日の『朝日新聞デジタル』で報じられ、翌3月5日の『朝日新聞』第1面では「服飾大手社長がセクハラ」という見出しで大々的に報じられた。上場企業でもないストライプインターナショナルの創業社長の社員相手のセクハラがこれほど大きく取り上げられたのは、石川社長が内閣府男女共同参画会議議員であったためだろう。内閣府推進会議の議員もやるほどに「立派な人物」というのが石川社長の「表の顔」だったから、この社員相手のセクハラスキャンダルというのは、その「裏の顔」を暴露させたということで実にショッキングな内容であったのだ。

誰が書いたのか知らないが、Wikipediaの「石川康晴」のページをのぞくとまさに品行方正。高校時代はアルバイトに明け暮れ、専門学校卒業後、紳士服チェーンに就職し、2年半後に300万円の起業資金が出来て退社。1994年、郷里の岡山市内に4坪の店をオープンして起業、翌年にクロスカンパニーを設立した。その後は東京に進出して、順調に業容を拡大していった。特に1999年に立ち上げたブランド「アースミュージック&エコロジー(earth music&ecology)」が大ブレークした。宮﨑あおいを起用したTVCMが大ヒットしたことが大きな要因とみられている。

Wikipediaには出ていないが、同社にとっては、2011年にベネッセコーポレーションとともに「ブラック企業大賞」に選ばれるという暗黒史がある。社員を酷使して、過労死を招いたのではないかというような事件(2009年10月)もあった。社名のクロスカンパニーが「クロ=黒=ブラック」を暗示するのを気にしたのか、5年後の2016年にはストライプインターナショナルに社名変更している。しかし、一部の関係者からは「ブラック企業がヨコシマ=ストライプ企業になっただけではないか」と陰口をたたかれたものである。しかし、残業を減らし、ママさん社員たちのために保育所を作ったりと特に女性社員に対する働きやすい環境づくりに対しては、経産省が選ぶ「ホワイト500企業」に選ばれるなど「リベンジ」を果たしている。

石川社長は、社業が軌道に乗ると、向上心からなのか学歴コンプレックスからなのか岡山大学経済学部経済学科の夜間主コースを卒業し学士になった。さらに京都大学経営管理大学院を修了してMBAを取得している。

勉強熱心で社員思いのカリスマ経営者の次の大きな目標は、ストライプインターナショナルの上場であった。【後編】に続く。

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