「ヴェルサーチェ(VERSACE)」は4月3日、米国のアン・ハサウェイ(Anne Hathaway)と中国のクリス・リー(李 宇春、Chris Lee)を起用した「アイコン」コレクションをローンチしたことを発表したが、その際に中国のSNSのウェイボーで突如、「一つの中国」の支持を表明した。
「ヴェルサーチェ」が簡体字で投稿した内容は、「ヴェルサーチェは中国文化を愛し、中国国民の国民感情を大切にし、中国の主権と領土保全を尊重し、一つの中国の原則を支持し、ファッションとアート、その他の文化を通じて、世界の舞台で若い中国の才能を全面的に支援したいと考えています」とするもので、突然の表明に業界関係者らから驚きの声があがっている。
「一つの中国」とは、中国大陸と台湾は不可分であり「中国」の統一国家であるという中華人民共和国政府の立場と主張だ。
「ヴェルサーチェ」は米国のニューヨーク証券取引所に上場するカプリホールディングス(Capri Holdings Limited)の傘下のブランドで、同グループは「ジミー チュウ(Jimmy Choo)」や「Michael Kors(マイケル・コース)」などで構成されている。カプリホールディングスにとってアジアは重要な市場と捉えており、アジア市場に対する戦略的な投資拡大を表明したばかりだった。