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ワコール新体制で多角化解禁か?

Jun 25, 2018.久米川一郎Tokyo, JP
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ファッション業界で京都と言えば、ワコールホールディングスの牙城である。現在の塚本能交・社長(70)は、6月の株主総会を経て社長を安原弘展・副社長に譲り、代表権のある会長に就任する予定だ。事業会社のワコールでは、伊東知康・取締役専務執行役員が社長に就任、安原弘展・同社社長は代表権のある会長に就任する。塚本能交・社長は、創業者の父、塚本幸一の跡を受けて1987年に社長になったが、バブル末期ということもあって、若き日は外食やF1などの多角化を推し進めていた暴れん坊社長だったが、失敗を重ねて京セラの稲盛和夫・社長(当時)から「本業に専念しろ。パンツのことだけ考えろ」との助言を受けて本業回帰。就任した当時は親の七光りと揶揄されてはいたが、31年の社長在任期間中に売上を2倍にまで押し上げ、連結で1,957億円を超える世界有数のインナーウェアメーカーに成長させた。かつてはブライダル事業や化粧品事業も手がけていたが、稲盛・社長からの助言を守りインナーウェア事業一本に集中してきたことが功を奏したのだろう。米L Brands(エル・ブランズ)傘下で約3,800億円の売上を誇る「Victoria's Secret(ビクトリア・シークレット)」が日本上陸を果たせていないことも、業績を拡大できた要因のひとつと言える。塚本能交・ワコールHD会長就任で、「多角化の禁」が解かれたのではと思うのが今回の町家開発事業だ。

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