
LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループは、歌手のリアーナ(Rihanna)とともに新しいラグジュアリーブランド「フェンティ(Fenty)」を立ち上げた。LVMHグループ内にあるブランド「フェンディ(FENDI)」と混同しそうな「フェンティ」というブランド名は、リアーナの本名(ロビン・リアーナ・フェンティ)だから仕方ないとも思えるが、よくもまあこんなまぎらわしいブランド名をOKしたものだと思うが、それだけリアーナと組みたかったということだろう。「グループ初の有色女性デザイナー」などとリアーナのことを紹介する雑誌もあるが、失礼極まりないがすでにグループ内では有色男性デザイナーとして昨年ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任しているので、「有色女性」という言葉を使ったのだろう。
しかし、ブランド業界の最大手LVMHがなぜ2年も続けて有色デザイナーを登用するのか?
アメリカ国勢調査局によれば、
・2014年のアメリカ総人口の分布は:
白人 62.2%、ヒスパニック 17.4%、黒人 12.4%、アジア人 5.2%、その他2.9%
・2060年のアメリカ総人口の分布は:
白人 43.6%、ヒスパニック 28.6%、黒人 13.0%、アジア人 9.1%、その他 5.7%
白人がいよいよ総人口の過半数を割り込んでしまうことになる。その際に有色人種のリーダー、特にファッション・リーダーになるのは、ヒスパニックではなく黒人になるのは、現在の動向からも納得がいく。となれば、今からクサビを打ち込んでおくには、黒人がアーティスティック・ディレクターのファッションブランドをいち早く設立することであるという決定がLVMHなどブランドコングロマリットではなされているということだろう。アブロー、リアーナ以外に「バルマン(BALMAIN)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターのオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)などの前例がすでにあったが、黒人デザイナーの台頭が今後大いにありそうだ。




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