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ますます進む二極化消費 ギンザ・シックスの過去最高売上とワークマンの女性用ワークスーツ

Feb 19, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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左:ギンザ・シックス 右:ワークマン

東京で連日1万5000~2万人のオミクロン株による新規感染者が判明している。全国レベルだと毎日10万人レベルである。2022年を迎えてようやく収束が見えたかと思った途端の第6次感染拡大である。このレベルだと知り合いあるいはその家族に必ず感染者が出現しているのではないだろうか。さらには身内に感染者が現れるのも時間の問題ということになるのだろう。そうは言ってもコレクション・サーキットの先頭を切ってニューヨーク・コレクションが2月11日に始まって、2月16日には終了している。「サステナブル」が最大テーマだと言いながら、ファッション・ビジネスは止まらない。

2月18日金曜日の繊研新聞を見ていたら、2つのニュースが目に止まった。ひとつはギンザ・シックスが2021年12月に2017年4月20日の開業以来過去最高の売り上げを記録したという記事だ。「2021年に実施した大規模リニューアルの効果で国内20~30代の若年層の買い上げが増加し、新店のレストランや食品のほか、ラグジュアリーブランド、アートなど高額品を中心に売り上げを伸ばした」と書かれている。

これはちょっとした驚きである。コロナが収束したのではないかという雰囲気が漂っていた昨年12月だから、日本中の店舗は活況を呈していたのだろうが、2017年4月以来最高というのには驚いた。2018年、2019年というインバウンド最高潮という年をも超えてしまったのだ。考えられることは2つ。第一によほどオープン時のブランド構成が悪くてそれが昨年の大規模リニューアルで改善された。そして第二には、基本的にラグジュアリーな商品構成が12月という時期に爆発的な反動消費を呼び込んだ。恐らくは、両方とも過去最高更新の要因だろう。動線など余裕があり比較的新しい店舗環境も好まれたのではないだろうか。開店5周年の4月にはさらにリニューアルが行われるという。このギンザ・シックス以外にも昨年12月は都心のラグジュアリーブランド売り場で驚異的な売り上げに驚喜する百貨店関係者の声を聞いた。先ごろLVMHの驚異的2021年12月期決算のことを書いたが、ラグジュアリーブランドの力には本当に驚くばかりだ。

さて2月18日の繊研新聞でもうひとつ驚いたのは、ワークマンの女性用ワークスーツが2月22日に発売されるという記事だ。昨春発売した男性用ツーウェイワークスーツが好調で、同素材の女性用スーツを求める声が多いため、女性用ワークスーツ開発になったもの。「この求める声が多いため」というのは、関連新商品発売の常套句なのだが、ワークマンの場合には「切実さ」を感じさせるのだ。価格は1ケタ違うのではないかと思うようなレベル。ジャケットが税込み2900円、パンツとスカートが各1900円、ブラウス1500円、Tシャツ980円。「馬鹿にすんじゃねえよ」という専業メーカーの声がどこからか聞こえて来そうである。スーツは黒、シャツは1色、サイズはM~LLが基本でパンツはSもあるという。これなら3着くらい備えてもいいなという女子も現れそうだ。これが売れないわけはなかろう。ただし、陳列スペースを確保できないため、ウェブ注文による店舗受け取り専用商品になるそうだ。「ユニクロ(UNIQLO)」でもセミオーダースーツは売っているが、なぜか過剰なこだわりがあって、ストレッチウールを使ったタイプで1万4900円+補正料2000円の1万6900円だ。しかしワークスーツにはスーツというものに対するガラパゴス的コダワリは一切ない。これはちょっと恐ろしいほどだ。パーカ感覚で着る「タダのスーツ」なのである。いやはや。最近の若者の多くが、スーツというアイテムにこだわりをほとんど持っていないということなのだろう。これは、「身だしなみ」を超えた「おしゃれ」を売っているファッション企業の多くにとっては大変な脅威であろう。

ラグジュアリーブランドとワークスーツ、消費の二極化はどんどん進んでいく。

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