アイウエアの「ジンズ(Jins)」が、国内外で順調に店舗数を増やしている。日本国内に362店舗、中国に141店舗、アメリカに5店舗、台湾に25店舗、フィリピンに3店舗、香港に2店舗と、合計で535店舗を構える。決算も好調だ。2018年8月期の売上高は前期比8.8%増の548億円、経常利益は前期比7.7%増の56億円、営業利益は前期比12.4%増の60億円だった。2019年8月期は、売上高、経常利益、営業利益とも二桁増を見込んでいる。
好調を維持する「ジンズ」の強みとはなにか。その最大の強みは商品開発力と市場創出力だろう。1988年の創業以来、メガネを単なる「視力矯正器具」と捉えずに、新しいマーケットを次々と自らで切り開いてきた。例えば、「ジンズ」の「エアフレーム(Airframe)」だ。樹脂素材をフレームにし、「軽量メガネ」という新しいマーケットを創出した。発売からちょうど10年目となる今年、累計販売本数が1800万本を突破した。アイウェア業界では異例のベストセラーだ。また、パソコンやスマートフォンからのブルーライトを軽減する「ブルーライトカット・メガネ」のマーケットは、累計で1000万本を売り上げる「ジンズスクリーン(Jins Screen)」の登場とともにできた。目の周りの保湿効果を高める「ジンズモイスチャー(Jins Moisture)」では、「保湿メガネ」のマーケットを創出しようとしている。
そして、もうひとつの強みは優れたデザイン力だ。「ジンズ デザインプロジェクト(Jins Design Project)」では、プロダクト・デザイナーのジャスパー・モリスン(Jasper Morrison)を始め、デザイン界の巨匠であるアルベルト・メダ(Alberto Meda)ら、世界的なクリエイターとコラボレーションし、メガネの本質からデザインしようと挑んでいる。6月には、アメリカ・ニューヨーク近代美術館(MoMA)がソーホー地区で運営する公式ストアで期間限定でポップアップを開催している。
商品開発力と市場創出力にさらに磨きをかけ、国内外で積極的に出店攻勢をかける「ジンズ」に今後も注目だ。