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本当に大丈夫か?マッシュHDはハゲタカファンドに食われないのか?

Nov 18, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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マッシュホールディングス本社(撮影:セブツー)

既報したように「ジェラート ピケ(gelato pique)」「スナイデル(SNIDEL)」などを手掛けるファッション企業のマッシュホールディングスの創業者である近藤広幸社長は、米国のプライベート・エクイティファンド(PEファンド)のベインキャピタルに近藤社長が保有する全株式を12月末までに2000億円規模で売却し、その後近藤社長が同社に再出資する。再出資後の株式保有率は、ベインキャピタル約60%、近藤社長40%になる。

マッシュHDは3〜5年後の上場を目指すという。ベインキャピタルとのパートナーシップによって海外事業の成長を加速し、現状では1023億円の年商(2022年8月期)は国内と海外の売り上げ比率が9対1だが、上場後は5対5に持っていき年商3000億円を目指すという。

「おい、おい大丈夫かい?」というのがこのニュースを聞いた率直な感想だ。「マッシュがベインキャピタルに身売り」というタイトルでもおかしくはないわけで、実際11月16日付日本経済新聞第1面のタイトルは「日本の人気アパレル買収/米国ベイン、2000億円」だった。再出資後はベインキャピタルが60%の株式保有比率で経営の主導権を握るのだからそういうタイトルでもおかしくはない。米国のPEファンドの考え方は企業価値を最大限に高めてこれを上場させ株式市場で売却して利益を得るということだ。企業価値が最大化するためだったら、かなり無茶なこともするわけで、それが「ハゲタカ」なる有難くない異名を頂戴している所以である。近藤社長は、日本流経営の生ぬるさを捨てて、自社株の60%をベインキャピタルに与え、企業価値を最大化するためのパートナーシップを結んだということなのだろう。

ツイッター社を買収したイーロン・マスクは、ツイッター社の社員の半分をリストラすると最近発表した。「激務を受け入れるか、さもなければ退職」という選択だという。ベインキャピタルもメンタリティはイーロン・マスクとあまり変わらないはずだ。またベインキャピタルに海外事業の成長を加速するようなノウハウがあるとは、私にはとても思えないが。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」ということなのだろう。ちょっと余人には真似のできない芸当である。下手をすればハゲタカの餌食になりかねないのである。「契約書があるから大丈夫」というのが一番危ない。

ある業界関係者は、「マッシュHD、ベインキャピタルの2社だけではなく、マッシュHDと一心同体のもう1社を加えた3社による株式構成を考えるべきではないか。タイマン勝負では絶対に勝ち目はないから。例えば、8月にバブアーパートナーズジャパンを共同出資で設立した伊藤忠商事などはその第3者として格好の存在なのではないか」と話す。

しかし今回の各紙の記事を読んだが、近藤社長の発言をそのまま載せているだけで、ベインキャピタルの発言は全く紹介されていないのも不可解だ。近藤社長に忖度したわけではないだろうが。老婆心ではあるが、くれぐれも乗っ取られたりしないようにことを進めていただきたいものだ。数少ない元気の良い日本のファッション企業なのだから。

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