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ニットの新進ブランド「CTプラージュ」が阪急百貨店うめだ本店でポップアップを開催

Sep 20, 2023.セブツー編集部Tokyo, JP
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国内アパレル市場の縮小によって、国内アパレル企業各社にとって海外市場への進出が急務となっている。しかし、現実はそう容易いことではなく、苦戦を強いられるブランドも珍しくない。開拓に成功するには資本力や海外との強いパイプが必要不可欠だと思われがちだが、売上高数億円程度と小資本ながらも10数年間をかけて地道に海外、特に欧米市場での拡販に成功した「CTプラージュ(C.T.plage)」というニットブランドがある。今秋、CTプラージュは阪急百貨店うめだ本店4階でポップアップを開催するとともに、フランスのパリではギャラリーを借りて業界向け24年春夏物展示会と23年秋冬物の消費者向け販売会を同時開催することが決定した。

カシミヤや獣毛(羊毛以外の動物の毛)素材のニットを中心としたブランド「CTプラージュ」が立ち上がったのは2007年のこと。ブランドを展開するシーティー・アソシエイツ(以下、CTA)は2001年に大手百貨店向けアパレルへのニット製品のOEM・ODM生産を目的として創業。この当時、大手百貨店向けアパレル各社は人件費の削減を目的に製品のデザイン・企画を外注に振り替え始めたため、OEM・ODM生産を請け負う企業が規模の大小を問わず続々と増えた。しかし、翌年以降、大手商社各社が繊維事業拡大の一環としてOEM・ODM事業の強化に乗り出した。このため、小企業であるCTAの業績はじりじりと下降線をたどり始める。

従来型のOEM・ODM生産の請負だけでは現状を打破できないと悟ったCTAの代表取締役兼デザイナーの諏訪直美氏は、2007年春にオリジナルブランドを立ち上げ、そして最もニットが売れやすいと考えられるヨーロッパ市場に販路開拓することを決める。2007年秋冬物をヨーロッパの合同展示会に出展したところ、イタリアの名店「テッサビット」との取引が決定した。それ以降、欧州の合同展示会に自力で出展し続けフランスの「メルシー」、スペインの「シャポー」などの著名セレクトショップとも取引が始まった。現在では、欧州とアメリカの9か国を中心に世界20か国の専門店と取引を行い、売上高の80%強を海外から得ている。

(右)諏訪直美/代表取締役兼デザイナー、(左)金谷美加子/同社デザイナー

欧州・アメリカで受け入れられた要因について「セーター類の価格がだいたい2万円台〜4万円くらいなのですが、ハイブランドを扱う現地のセレクトショップからすると『高品質なのに割安感がある』と評価をいただいていて10数年にわたって取引が続いています」(諏訪直美氏)という。デザインは定番ベーシックで着心地の良さとコーディネイトのしやすさを重視した商品提案を続けており、そこにも安心感を得る欧米セレクトショップは多いようだ。また、現在では部下のデザイナー金谷美加子氏も力を付けてきており、「CTプラージュ」の商品作りに大きな力となっている。

9月20日(水)から10月2日(月)までの期間に、パリのギャラリー「20 RUE CHAPON」で開催される単独展示会&販売会は今回が2回目。今年春に初開催したところ予想以上に好評だったため、続けての開催を決めた。またこの後、10月4日(水)から10日(火)まで、阪急百貨店うめだ本店4階で今秋冬物のポップアップも開催する。

小資本ながら独立独歩で10数年間という長い年月をかけて地道に海外進出を果たした「CTプラージュ」の軌跡は、他の国内アパレルにも参考になる部分が大いにあるのではないだろうか。

■「CTプラージュ」ポップアップストア(大阪)概要
場所:阪急百貨店うめだ本店4階
期間:2023年10月4日(水)〜10日(火)

C.T.plage:http://www.ct-plage.com/ja/

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