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「ABCマート」創業者所有馬などが出走する話題のダービーは今週日曜日15時40分スタート

May 24, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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昨年開催された日本ダービー

昨年の12月28日に発表されたJRA(日本中央競馬会)の資料によれば、2021年の総売上高は前年比3.6%増の3兆911億円と3兆円の大台を突破し10年連続の増収になった。「ユニクロ(UNIQLO)」のファーストリテイリング(年商2兆円)の1.5倍の売上高なのである。スポーツや家ナカ消費と並んで、競馬はコロナ禍の追い風産業なのだ。

そのレース別の売り上げで断トツなのは12月最終週の有馬記念で昨年の売上高は490億円。それに次ぐのが、「競馬の祭典」の異名を持つ日本ダービーで、昨年は250億円を売り上げている。さて、今年の日本ダービーは5月29日(日)の15時40分発走で、NHKとフジテレビで中継される。日本で生産される7000頭ほどの3歳のサラブレットの頂点を決めるレースで、東京競馬場2400mの芝コースが舞台だ。

ファッション業界と関連する馬では、ジャスティン・ロックとジャスティンパレスの2頭が挙げられるだろう。「ABCマート」の創業者である三木正浩氏が所有する馬だ。ジャスティン・ロックは2020年の北海道セレクションで2530万円でセリ落とされ、ジャスティンパレスは2020年のセレクトセールで2億900万円でセリ落とされた高額馬である。三木氏が競走馬ビジネスに参入したのはつい最近で、日本ダービーに出走するのはこの2頭が初めて。日本ダービーに出走できるのはわずか18頭だから、出走できるだけでも名誉なことだが、果たしてどんな結果になるのか。三木氏はもう形の上ではABCマートの経営には携わっていない。株主(総株の25.9%保有)として睨みをきかせながら、競走馬ビジネスに軸足が移っているのではないだろうか。ただし、ジャスティン・ロックについては抽選対象になっており、出馬できる確率は2分の1である。

またファッション業界ではないが、この他にも面白い馬が出走する。馬名で注目を集めそうなのが、オニャンコポンだ。大ヒットした漫画「進撃の巨人」の登場人物のひとりだ。西アフリカの言語(アカン語)で「偉大な、天空神」という意味だ。馬主の田原邦男氏は54歳の会社経営者。オニャンコポンは800万円という安値で購入したが、「オニャンコクラブもファンでした」とのこと。今年重賞の京成杯(GⅢ)を勝って臨んだ三冠レース第1弾のさつき賞(GⅠ)では6着と健闘。日本ダービー初騎乗となる若手のホープ菅原明良(21歳)が手綱をとる。

もう1頭の話題馬は、ビーアストニッシドだ。北海道日高のヴェルサイユファームの生産馬だ。この牧場のオーナーである岩崎美由紀氏は元タカラジェンヌ。当時の芸名は美雪花代(みゆきはなよ)。花組のトップスター(娘役)として活躍し、1981年5月に退団。その後女優として活躍したが、2011年に会社・牧場経営者の馬主(現在のヴェルサイユファームの前身の三城牧場)と再婚し、現在に至っている。ビーアストニッシドは、スプリングステークス(GⅡ)で優勝。前走のさつき賞では11着。生産牧場名から考えて日本ダービーではなくて、活躍するのはこの後の宝塚記念(GⅠ、6月26日)なんじゃないのかという声もあるが。

多くの人の夢を乗せて3歳馬の頂点を目指して日本ダービーのスタートが5月29日(日)15時40分に切られる。注目である。

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