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野村総研の予言「リベンジ消費は限定的」は本当なのか!?

Oct 29, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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10月25日の全国のコロナ感染者は153人、東京都は17人ということで、連日2万人を超える新規感染者数を記録した8月末が嘘のような減少だ。どうも新型コロナウイルスはほぼ絶滅したのではないかと思える数字ではある。第6次感染が必ず来るという懐疑派にしても、拍子抜けするような「壊滅ぶり」だ。これは11月からはリベンジ消費が期待できるのではないかとほくそ笑むんでいる小売業者が多いのではないかと思う。

そんな中、野村総合研究所は10月18日にコロナ禍が収束した場合の消費価値観や生活行動を把握するため、2021年7月に全国の15~69才の1万8,800人を対象に実施した大規模インターネット調査の結果を発表した。コロナ禍真っ只中の第5次感染の最中の調査で10月後半の現在とは多少ズレがある感じもするのだが、それによると:

コロナ禍後の生活全体の状況に関しては:

・コロナ禍以前の生活に完全に戻る:25%

・コロナ禍以前の生活にある程度は戻るが完全には戻らない:59%

・コロナ禍と同じ生活を送り続ける:16%

ワクチン接種が進んでいる人ほど「生活が完全に戻る」と回答する人が若干多いものの、日本人全体としてはコロナ禍によりで生活意識、生活習慣面で不可逆的な変化が起こったと言えると、同調査は結論づけている。16%が「コロナ禍と同じ生活を送り続ける」と回答しているのがちょっと衝撃的である。

コロナ禍以前の生活に完全に戻らないと回答した75%の人にその理由を尋ねたところ

・コロナ禍が完全に収束するとは思えない:41.1%

・今の生活様式に慣れてしまったから(オンライン化、無駄が排除された):18.4%

・収束してもマスクや感染予防は欠かせないから:4.6%

以上の3つが主な理由だが、特に注目されるのは2番目の「今の生活様式に慣れてしまったから」だろう。リモートワーク、リモート授業、マスク、手洗いなどが生活において定着してしまったということなのだろう。

同調査では、コロナ禍収束後における各活動への支出意欲の調査を行っている。それによると「多少増やすが前より減らす」と「変わらない」の合計は(カッコ内は変わらないという回答):

・外食:58%(40%)

・国内旅行:49%(32%)

・海外旅行:60%(43%)

・美術館や博物館:58%(43%)

・劇場でのコンサート、演劇鑑賞:56%(40%)

・映画館での映画鑑賞:56%(41%)

・競技場でのスポーツ観戦:61%(45%)

・カラオケ:61%(43%)

・アウトドアレジャー:53%(43%)

コロナ禍で耐え生活をしてきた人々が、コロナ収束後もその耐え生活とさほど変わらない生活を続けるという回答が半分以上を占めるという結果が出ている。これもまた衝撃的な結果なのではないか。

この調査では、購買に関する消費動向については項目がないが、更にシビアな結果が出ていたのではないかと思われる。コロナ収束で気分は高揚してそれが爆発的な購買につながるという「リベンジ消費」はあまり期待しない方がいいというのがこの調査の結論である。

この調査にケチをつけるとすれば、調査が行われた7月はワクチン接種がまだ十分な水準になかったという点だろう。あれから3カ月が過ぎてだいぶ状況は変わっているので、現在ならもう少し前向きな結果が出るとは思うのだが。

ただし、石油関連製品をはじめとして10月になってから物価上昇が本格化している。コロナ収束に伴う経済活動の活発化が原因だが、回復の兆しを見せつつある個人消費にとって大ブレーキになっている。このまま物価上昇が続くと「リベンジ消費は限定的」という野村総研の予言は、的中してしまいそうな雲行きになっている。果たして11月商戦はどう動くのだろうか。

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