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ユナイテッドアローズがアートブック発売 平均19.9歳の若者と作る『ひとゝ服』

NEWMar 10, 2026.高村 学Tokyo, JP
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ユナイテッドアローズは3月11日、スタイリストのTEPPEIと監修したアートブック『ひとゝ服』を発売する。次世代とのコミュニケーションを目的に始動したプロジェクト「UA CURATED」の一環として制作された。

「UA CURATED」は2025年10月にスタートした取り組みで、時代に合った感性と視点でアイテムをセレクトし、新たな手法で提案することを目的としている。2026年2月までにコンセプトの異なる6つのプロジェクトが展開されており、『ひとゝ服』は、その中でも若い世代のファッション観を可視化する試みとして位置づけられている。

『ひとゝ服』は「ファッションを通じて、まだ出会ったことのない自分と出会う」をテーマに制作されたアートブックだ。平均購買年齢が30〜40代とされるユナイテッドアローズが、世代を超えたファッションの可能性を探る挑戦でもある。

モデルとして参加したのは平均年齢19.9歳の若者たち。文化服装学院や上田安子服飾専門学校、東京経済大学、國學院大学、和光高等学校など10校以上の学校の協力のもとオーディションを行い、ファッション系の学生やサークルに所属する大学生、高校生、さらに来年度ユナイテッドアローズに入社予定の新卒者など、多様なバックグラウンドを持つ36人が被写体として参加した。

撮影に参加した若者たちは、プレスルームに何度も足を運び、スタイリストのTEPPEIとともにフィッティングを重ねた。スタイリングはTEPPEIが担当し、撮影はフォトグラファーのJun Yasuiが手掛けた。写真はドキュメンタリーのような空気感を大切にしながら撮影され、若者たちのリアルな表情やファッションへの感情が映し出されている。

発売に先立ち、3月9日には六本木の蔦屋書店で記念トークイベントを開催。ユナイテッドアローズのチーフクリエイティブオフィサーの松本真哉、TEPPEI、そしてプロジェクトに参加した学生4人が登壇した。松本真哉は、紙の本という形式を選んだ理由について、「物理的な形で残すことが企業文化を残すことにもつながると思い、久しぶりに紙での発行を決断しました」と説明し、さらに若い世代のファッション観についても触れ、「写真を見た瞬間、想像していた以上に個性の時代が進んでいると感じました」と語った。

デコラティブな服を好む人と抜け感のあるスタイルを好む人が同じコミュニティに自然に共存していることも、今の若者の特徴だという。「以前はファッションのスタイルによってコミュニティが分かれていたが、今はそうではない。多様な価値観が共存している」と分析した。

今回のアートブックでは、参加した36人がそれぞれの感性で服を着こなし、作品として表現している。カバーモデルを務めた野元陽波は「プロの撮影に参加して、まるでアトラクションに乗っているような感覚でした」と振り返る。相川史奈も「個性的なスタッフがパズルのピースのようにつながって一つの作品が生まれていくのを感じました」と語った。

また、服を着る意味について聞かれた加藤龍之介は「服はコミュニケーションの一つ。服好きな友人と仲良くなったきっかけでもあります。『ひとゝ服』も洋服との関わりが繋がったもの」と話す。平野裕大も「自分のカルチャーを形づくる、切っても切れない存在。アーカイブのように残っていくもの」と語り、ファッションが個人の価値観や人生に深く関わるものだと語った。

デジタル化が進む時代のなかで、あえて紙のアートブックという形で若い世代のファッション観を記録する試み。『ひとゝ服』は、世代を超えた対話を生み出す新しいプロジェクトとして、ユナイテッドアローズのクリエイティブな挑戦を象徴する一冊となりそうだ。

 

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