2015年に発足した映画界の表舞台、そしてその裏側で活躍する女性たちに光を当てることを目的とする「ウーマン・イン・モーション」。ケリング会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー、カンヌ国際映画祭会長のイリス・ノブロック、カンヌ国際映画祭ディレクターのティエリー・フレモーは、ミシェル・ヨーの傑出したキャリアに敬意を表し、彼女に今年の「ウーマン・イン・モーション」アワードを授与することを決定した。過去の受賞者には2016年の女優ジーナ・デイビスとスーザン・サランドンや、2017年のコン・リーなどがいる。
今回選出されたミシェル・ヨーはマレーシア出身の女優で、数十年もの間多くの作品に出演し複雑で強い意志を持った女性を演じることで、映画界における年齢や性別に関する既成概念を打ち砕いてきた。本年度のアカデミー賞で最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でも圧巻の演技を披露し、ゴールデングローブ賞、SAG賞(全米映画俳優組合賞)、アカデミー賞主演女優賞を受賞、アジア人女優として初となるオスカーの同部門受賞という偉業を達成した。
今回の受賞に際し、ミシェル・ヨーは「この賞を受賞し、とても嬉しいです。近年、世間の意識は確実に高まっています。時代が変わりつつあると確信しています。女性が、カメラの前でも後ろにいても、この世界の多様性や複雑さを反映した役を演じ、物語を語り続けることが重要です。」と述べている。これまで数々の賞を受賞した場面でも多様性、人種や年齢差別といった深刻な問題に触れながら力強いスピーチを披露してきたミシェル・ヨー。スクリーン上でも、現実世界においても、力強く生きる女性のアイコンとして活躍してきた彼女のキャリアは、まさしく今回の「ウーマン・イン・モーション」受賞にふさわしいものと言えるだろう。