音楽やアート、ファッションなど幅広い分野に影響を与えているNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)。NFTとは、偽造不可な鑑定書、所有証明書付きのデジタルデータで、デジタル世界における権利を記録することができる資産のこと。2021年、ファッション業界でも多数のブランドがNFTアイテムを発表した。新年を迎え1ヶ月も経っていないが、これまでに販売・発表されたNFTアイテムをまとめてみた。
「ギャップ(GAP)」は1月12日、ブランド初となるNFTコレクションの立ち上げを発表した。コモン(普通)、レア(希少)、エピック(最高)、ワン・オブ・ア・カインド(唯一無二)の4つのレベルに分かれたコレクションで、米・ニューヨークのアーティストであるブランドン・サインズ(Brandon Sines)が手がけるアートシリーズ「フランク・エイプ(Frank Ape)」とのコラボレーションデジタルアートを発売した。
「アディダス オリジナルス(adidas Originals)」は1月20日、「プラダ(Prada)」とデジタルアーティストのザック・リーバーマン(Zach Lieberman)と共同で、オープンメタバース&ユーザー参加型のNFTプロジェクト「re-sourceプロジェクト(adidas for Prada re-source)」を発表し、デジタルアートを販売した。同アートは、両ブランドのコラボレーション第3弾の「Re-Nylonコレクション(adidas for Prada Re-Nylon)」をメタバースに取り入れたもの。一般ユーザー3,000人によって作成されたアートをそれぞれ1枚のタイトルと見なし、それをリバーマンが1点のモザイクアートのNFTにまとめる「re-sourceプロジェクト」は、作成に携わったユーザーが自身の作成したタイトルへの所有権を保持することができ、二次流通市場で販売することもできる。
「グッチ(GUCCI)」は2月1日から、デザイナートイブランドの「スーパープラスチック(SUPERPLASTIC)」とコラボレーションした「スーパーグッチ(SUPERGUCCI)」を発売する。「スーパーグッチ」は、3シリーズで構成されており、第1弾は10点のNFT作品とフィギュアが発売される。
NFT内で購入できるアイテムではないが、1つ紹介したいのが「フェンディ(FENDI)」が発表した新作アクセサリー。同ブランドは、デジタル資産とウェブ3.0(ブロックチェーンを使うことで、個々が発信して取引実行ができるようになる世界)のグローバルプラットフォームを提供するレジャー社と共同し、6月から暗号資産ハードウェアウォレット「レジャー ナノX(LEDGER Nano X)」のためのアクセサリーを発売する。アイテムは、長方形で光沢のあるアルミニウム製の「バゲット」とFFフレームがエンボス加工された立体的なカプセル型の「フェンディ オーロック」の2つ。両アイテムともに、バッグやベルトに取り付ける回転式スナップフックと、首にかけたりクロスボディで持つためのトグル付きの調整可能なストラップが付いている。