現在、「Tik Tok(ティック トック)」を中心に若者の間で「ノームコア」ファッションが再び注目を集めている。その「ノームコア」とは一体何なのか。
「ノームコア」とは、「ノーマル」と「ハードコア」を組み合わせた造語であり「究極の普通」を意味する。2014年頃にニューヨークを中心に流行したファッションで、日本でも話題となった。今年流行している「ノームコア」は以前とは少し異なり、ゆとりのあるシルエットを着こなすスタイルが主流。シンプルなスタイルが特徴であるため、サイズ感や素材が重要となってくる。
「ノームコア」を取り入れている有名人として、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がいる。彼は、「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」のタートルネックに「リーバイス(LEVI'S)」501のジーンズ、そして「ニューバランス(New Balance)」991のスニーカーを組み合わせたコーデを約10年間続けた。ただシンプルな服装をするのではなく、アイテムにこだわりがあるということが「ノームコア」ファッションをする上で重要である。
また、米国の元大統領であるバラク・オバマ(Barack Obama)は着る服を固定しておくことで時間の無駄を省くという。このような考えから、「ノームコア」を取り入れる人もいる。
そこで、最近若者の間で「ノームコア」を流行らせたパイオニアと言われているのが、川島レイチェルという人物。川島レイチェルは、アメリカにルーツを持ち、小さい頃から触れてきたアートやカルチャーにインスピレーションを受け、流行に執着しないスタイルを生み出す。インスタグラムのフォロワーは17万人で、昨年にはファッションブランド「ガディット アノニム(GADID ANONIEM)」を立ち上げ、ディレクション兼デザイナーとして活動している。
「ガディット アノニム」のテーマは「エフォートレス」で、ベーシックなシルエットと動きやすいサイズ感や素材にこだわっていて、性別、年齢、立場を超えて、人々にブランドビジョンやクリエイションを提供する。9月に行われたポップアップではファンの行列ができたり、オンラインショップでは商品が即完売するなどの人気ぶり。「Tik Tok」ではファンが川島レイチェルの「ノームコア」を特集している動画がよく見られ、若者からの注目度が高い人物である。
これからの秋冬の「ノームコア」ファッションにも注目だ。