カジュアル衣料大手のアダストリアは、タイ・バンコクに100%出資の子会社を設立すると発表した。資本金は100万バーツ(約400万円)で、設立は2023年1月初旬を予定している。同社は、東南アジアに若年人口が多く、アパレル市場の成長が見込まれることからファッション消費が盛んなタイに新会社設立を決定。主力ブランドである「ニコアンド(niko and ...)」事業を皮切りに、現地の顧客に合わせた形で事業を展開する予定だ。また、タイで事業基盤を構築した後に東南アジア周辺国での事業展開も計画している。東南アジアの人口は6億6千万人で、世界の約8.6%を占め、EUなど他の地域経済統合体より人口が多いのが特徴。
昨年、10月には、シンガポール発カジュアル衣料ブランド「ラブボニート(Love,Bonito)」を展開するラブボニートホールディングスに資本参加した。アダストリアは、この資本参加を機に、東南アジアでの事業展開に向けた準備を進めた。ラブボニートHDは、18歳から35歳のアジア女性をターゲットとしたカジュアルファッションを製造・販売しており、シンガポールを拠点にマレーシア、インドネシアで展開。また、2019年からは海外市場にも進出し、香港、フィリピン、日本、米国が主要市場となっている。同ブランドは、4月からアダストリアグループ公式WEBストア「ドットエスティ(.st)」での販売を開始した。
現在、アダストリアは、メタバースファッション領域への参入や、国内では成長ブランドの新規出店や「ドットエスティ」のテレビCMの実施、海外では中国本土と東南アジアの新市場の開拓、そしてM&Aを通じてさらなる成長を目指している。また、9月21日に渋谷本社で「アダストリア FOREVER21再上陸発表会」を開催し、2009年に日本1号店をオープンしたが、2019年9月に日本から完全撤退していたた「フォーエバー21(Forever21)」を日本で展開すると発表した。