
ネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」を運営するBASEは8月5日、2025年12月期の中間期決算を発表した。売上高は91億4400万円(前年同期比24.8%増)、営業利益は5億7000万円(同12.2%増)と2桁成長を記録したものの、親会社株主に帰属する中間純利益は4億4600万円(同1.0%減)と微減、増収ながら純利益は伸び悩んだ。
セグメント別では、主力のBASE事業が売上高49億3800万円(同16.5%増)、営業利益5億9300万円(同41.2%増)と堅調。EC領域の着実な拡大が業績を下支えした。オンライン決済サービスのPAY.JP事業も売上高30億6700万円(同14.1%増)、営業利益1億6900万円(同41.4%増)と好調だった。
さらに、事業資金提供サービスのYELL BANK事業は、売上高5億2300万円(同44.5%増)、営業利益1億2500万円(同104.2%増)と2倍超の伸びを記録。昨年10月に連結化したwant.jp事業は、売上高6億1800万円を計上したが、営業損益は1300万円の赤字となった。
同社は2025年12月期の通期業績見通しとして、売上高196億円(前年比22.6%増)、営業利益10億円(同29.4%増)、純利益12億4700万円(同266.5%増)を掲げており、収益性の改善に強い意欲を見せている。
一方で、注目が集まるのは買収問題だ。BASEは同日、取締役会を開催し、バッファロー(旧メルコホールディングス)の牧寛之社長によるTOB(株式公開買い付け)提案に対し、改めて「反対」の立場を維持する方針を表明。現時点では買収防衛策などの対抗措置は発動しないものの、動向を注視している。
バッファローは1975年創業のデジタル機器メーカーで、無線LANルーターや外付けハードディスクなどで知られる。同社を率いる牧氏は、5月に代理人を通じてBASEにTOB実施の意向を通知。その中で「収益性を抜本的に改善すれば、BASEは楽天グループを超えるEC・フィンテックプラットフォーマーになれる」とのビジョンを示していた。
成長軌道に乗りつつあるBASEと、異業種からの買収提案という構図は、今後の日本企業における資本戦略や経営ガバナンスを考える上でも注目に値する展開となっている。