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「夜明け前が一番暗い」? ここに来てアパレル業界のリストラ多発の原因は!?

Jun 14, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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タキヒヨー本社が入居する名古屋ルーセントタワー

5月の商況が急回復を見せた日本のファッション&アパレル市場だが、これに続く6月も順調に回復を継続しているようだ。なによりも、直近の6月13日の全国のコロナ新規感染者は7956人と8000人を下回るのは今年1月11日以来。東京都ではやはり1月11日以来の1000人を下回る960人の新規感染者だった。6月10日からは外国人入国枠が2万人に拡大し、飲食店や旅行業界が様々なプロモーションで集客を意欲的に図っている。市場は活気を取り戻しつつある。このまま新型コロナが終息するのか、あるいは感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同程度の「五類」へ引き下げることになるのかは定かではないが、現実的にはもはや「終息」を前提にした逆戻りできない動きになっている。

そうした動きにあって、見逃しがちだが早期退職募集という名のリストラを実施する上場企業が目につく。

・3月25日:繊維機械の津田駒工業(東証スタンダード上場)は100名の人員削減を公表。同社単体の従業員944名のおよそ10%に相当。退職日は6月10日

・5月12日:アパレルメーカーのダイドーリミテッド(東証スタンダード・名証プレミア上場)は、2021年12月13日に公表していた希望退職の募集(20名)に対して18名が応募したことを公表。これに伴う特別損失は9500万円を予定。同社は今年2月に子会社ダイドーフォワードの店舗勤務従事者を対象に104名の人員削減をすでに実施しており、今回の本部勤務者を対象にした施策により合計122名の削減。

・5月25日:繊維商社のタキヒヨー(東証スタンダード・名証プレミア上場)は希望退職者の募集による150名の人員削減を公表。満40歳以上の総合職・一般事務職・販売職を除く嘱託社員で退職日は9月30日を予定。

・6月10日:下着メーカーのシャルレ(東証スタンダード上場)が5月13日で公表していた希望退職者(50歳以上かつ勤続年数10年以上の社員および60歳以上の再雇用嘱託社員)25名に対して、約5割多い応募者38人が応募。この施策に伴う特別加算金などの費用7億9700万円を特別損失として計上する予定。

以上の4社は上場企業だが、上場企業でも常時早期退職を募集しているある大手企業のようにこうした早期退職をいちいち公表していないケースもある。ましてや未上場企業は公表する義務もないし、まさに日常的にリストラが行われているのだ。

特に今年に入ってからの早期退職募集の理由として、「原材料価格や海上輸送運賃の高騰」(津田駒)、「原料価格・海上運賃の上昇や円安進行」(タキヒヨー)を明記する企業が増えていることは注目される。市場は活況で売り上げは回復しているものの、原材料価格や海上輸送運賃高騰、そして中国や東南アジアで生産してそれを輸入する企業にとっては、最近の円安は業績を強烈に圧迫し始めているのだ。アパレル製品の輸入浸透率98%の日本においては、コロナ以上に円安が重くのしかかっている。

 

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