繊研新聞の記事で注目されるのは、ワークマンは、実はベイシアグループ(発祥は群馬県伊勢崎市の衣料品専門店「いせや」)の一員だということ。このベイシアグループは他にホームセンター業界ナンバーワンのカインズ(最近東急ハンズ買収で話題になった)や家電量販店のベイシア電器、仏壇の清閑堂などを擁しており、2020年10月にグループ総売上高1兆円を達成している。グループ内ではカインズ(2021年2月期売上高4854億円)が突出しているが、2021年3月期売上高1058億円で1000億円企業になったワークマンがそれに継ぐ存在だ。今回の「#ワークマン女子」の出店計画でもカインズなど郊外SC敷地内で路面型11店の出店を来期予定しており、2023年3月末にトータルで27店を予定(2022年3月末では12店)している。2030年には「#ワークマン女子」で400店体制になるという遠大な計画も発表している。その中には、全国の百貨店も対象になるというから、まさにカテゴリーキラー。もちろん作業服ではないが、まあ作業服のようなワークスーツやカジュアルウェアが百貨店で売られる時代が来たということだろう。
さて、#ワークマン女子の銀座店での成功確率だが、ワークマンが発表しているマスコミ向け初年度6億~7億は今の勢いならまずクリアは間違いないだろう。前述したように狙っている本当の初年度目標はその倍の月1億円、年間12億円だと思うが、ウェブ注文が中心ならこれもクリアするのではないだろう。問題はその後ということだ。例えば、銀座中央通りに面した銀座7丁目に単独路面店を2008年9月13日にオープンした「H&M」は、それから10年経った2018年7月16日に閉店してしまった。世界で約2兆5000億円を売るファストファッション業界第2位の「H&M」にしても、10年契約を更新できなかったのである。もちろん赤字だから閉店したのである。そういうビジネスの難しさが銀座にはある。果たして「#ワークマン女子」あるいは「ワークマンプラス」が、一過性のブームでなはく日本のアパレル市場の雄として定着できるのかどうか、第2の「ユニクロ」として定着できるのかどうか大いに注目したいと思う。