中国では今、ファッション誌の表紙に外国人モデルを起用することがトレンドになっている。SNS、海外テレビ番組とメディアの普及によって、中国の読者が国内のセレブだけでなく海外の著名人にも注目しているためだ。人気のテレビ番組に外国人ゲストを呼び、またアパレルブランドも海外の旬な著名人をアンバサダーに起用している。こうして海外の著名人と中国国内のブランドがコラボすることによって話題を作り、情報が溢れているなかで新鮮さと刺激を生み出している。特に、2000年に中国に初めて「ViVi」が上陸して以降、「Ray」など日本のファッション誌が当時の中国のファッションに大きく影響を及ぼしてきた。ファッションだけでなく日本人モデルも話題になった。
近年、中国で最も注目されているのは水原希子である。表紙に頻繁に登場し、巻頭ページにも登場するなど大人気だ。彼女が表紙に載ったのは中国ローカルファッション雑誌「YOHO!GIRL」、そして「GRAZIA」と「VOGUE ME」の中国版などで、さらに「YOHO!GIRL」の4周年記念号には妹の水原佑果とともに表紙を飾った。実は水原姉妹は「YOHO!GIRL」との縁が深く、2013年の創刊号の表紙にも登場している。また、「GRAZIA」の中国版の撮影チームは頻繁に来日し、水原希子、長谷川潤、松岡モナ、赤西仁の表紙撮影を行った。GENERATIONSの片寄涼太は主演映画「兄に愛され過ぎて困っています」で中国人気に火がつき、彼だけ2度にわたり表紙を飾っている。2018年の「GRAZIA」9周年記念号にはアジアで注目のアーティスト、モデルなど9名が登場し、日本からは森星、秋元梢、片寄涼太が代表として選ばれた。
さらに「VOGUE」の若者向けのファッション誌「VOGUE ME」の表紙に、水原希子と中国でとても有名なアーティストのル・ハン、アメリカのモデルPyper America Smithが一緒に登場し、最近では日本モデルの萬波ユカと、中国の人気俳優が一緒に表紙を飾った。中国の某雑誌のトップスタイリストによると、表紙を飾るにふさわしい日本の著名人を常に探しており、まだ中国で表紙を飾っていない人をどの雑誌よりも早く起用したいと考えているという。特に「YOHO!GIRL」には日本のファッションが好きな編集者が多いため、日本の著名人の情報にも詳しい。2018年3月号には日本在住のモデル、ローレン・サイにインタビューを行い4ページにわたって掲載した。彼女はテレビ番組「テラスハウス」をきっかけに有名になり、日本の若者の間で次世代モデルとして注目されている。
頻繁に来日する中国のファッション誌、次は読者にどんな驚きを見せてくれるのか。ウェブメディアが普及して紙媒体の需要が少なくなってきている今、表紙に著名人を起用することは最も大事な戦略なのだ。