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コロナ下でも株価がブチ上がったファッション企業ベスト10(後編)

Jan 8, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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WEBメディア「SEVENTIE TWO」ではファッション&アパレル関連の100銘柄(脚注参照)をピックアップして、昨2020年の値上がり率ベスト10(前回の前編でベスト5を紹介済み)とワースト10(詳細は来週紹介)を算出した。今回はベスト6からベスト10を紹介する。

上昇率第6位(上昇率は58.7%)はベビー・子供服のSPA(アパレル製造小売業)の西松屋チェーンだ。コロナ禍だった2020年にSPAであろうが、卸売業であろうが、増収増益の決算を計上できるというのは、それだけで驚嘆すべきものがある。しかも少子化が進むベビー・子供服の企業である。西松屋チェーンが昨年12月21日に発表した第3四半期(3月21日〜11月20日)決算は、売上高1231億4000万円(前年比13.3%増)、営業利益109億400万円(同274.8%増)、経常利益110億7900万円(同245.5%増)、四半期純利益75億1300万円(同315.6%増)という驚愕すべき数字だった。2月本決算もこのままでいけば楽々と史上最高決算になる。価格政策の見直しでプロパー消化率が大幅にアップしたとか、スペースに余裕がある店舗設計がソーシャルディスタンスを保たなければならないコロナ禍にフィットしたとか、まとめ買いが多く玩具類などのアパレル以外の商品が大きく売り上げを伸ばしていると言われているが、独特の経営哲学によるローコスト経営がライバル企業のシェアを大きく奪っているようだ。

第7位(上昇率51.7%)はイオンだ。コロナ禍で内食需要をうけて業績好調のスーパー株ということもできる。実際10月7日発表の第2四半期では、第1四半期の赤字を一気に営業利益、経常利益段階で黒字化した。ネットスーパーも順調に拡大しているのも見逃せない。さらにここ数年の収益構造の変化も見逃せない。ショッピングセンターを統括するデベロッパー事業、総合金融、ドラッグ、ファーマシーなどがGMS(総合スーパー)、SM(食品スーパー)を大きく上回る利益を叩き出している。コロナ禍でも黒字を拡大する体質になっているのが、スーパーのセクターには従来あまり関心のない機関投資家にも評価され株価にもストレートに反映している。また個人投資家には充実した株主優待のために人気があることも知られている。

上昇率8位(上昇率は45.7%)はクロスプラスだ。名古屋に本社をおく量販店をメインチャネルにしたアパレル卸売企業だ。12月11日の第3四半期決算発表後に急騰している。その内容は、売上高456億1900万円(前年比4.1%増)、営業利益18億4300万円(同161.2%)、経常利益21億8700万円(同156.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益16億8700万円(同84.4%)というもので、急回復。その原因は量販店向けの衣料品での「イエナカ商品」の受注獲得や「パステルマスク」を中心にしたファッションマスクの販売が拡大。特にファッションマスクはドラッグストアやホームセンターなどの非衣料専門店への販路開拓が進み急騰した。このクロスプラスも「コロナ禍銘柄」ということができるかもしれない。注目すべきは配当政策で、前期12円配当が今期は前期末6円(配当済み)、期末18円(予想)の合計24円配当で倍増する。

第9位(上昇率44.9%)は、ファーストリテイリング。言わず知れた「ユニクロ(UNIQLO)」がメインブランドの世界第3位のSPA企業である。日経平均株価算出対象の225銘柄のひとつだが、値ガサ株でその上下が日経平均株価に大きなインパクトを与えるために、日経平均株価をキープする際に、日本銀行を始めとした公的資金に頼りにされているのがこのファーストリテイリング株なのである。さすがにコロナの影響を受けて今年8月決算は、減収減益だったが、それでも年商2兆円は死守した。凄い底力だ。今年は日経平均3万円とともにファーストリテイリング株10万円が実現されるのではないだろうか。本来だったらこんな値ガサ株は株式分割して1万円以下の株価にすべきだが、この10万円という株価が実現したいために、柳井正会長兼社長はそのままにしているのだろうか(笑)。

上昇率第10位(上昇率41.1%)は、ショッピング・コミュニティサイト「バイマ(BUYMA)」を運営するエニグモだった。ファッション関連のECサイトだが、新品のファッションアイテムをフリマ・オークションのスタイルで売買できる。日本だけではなく海外からの出品者が多いのが特徴だ。2004年の設立で2012年には東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2019年から東証一部。2018年2月には、会員数が500万人を突破し、「バイマ」アプリのダウンロード数は300万を突破している。すでに安定成長期に入っており、例えば12月15日に発表された第3四半期(2月1日〜10月31日)では、売上高47億1900万円(前年比14.3%増)、営業利益18億8300万円(同9.1%増)、経常利益18億8100万円(同10.1%増)、四半期純利益13億600万円(同10.2%増)というきわめて高い収益性を示している。

次点として上昇率11位(上昇率31.8%)のしまむらを挙げておく。自社企画ではない仕入商品の多いタイプのSPA企業ではあるが、2018年2月期、2019年2月期、2020年2月期と3期連続の減収減益を続けてきた。同社では、2020年度のグループ統一テーマを「リ・ボーン」として、しまむらグループの復活を目指してきた。今期はその成果を見せるはずだった。しかし、コロナ禍に見舞われてその影響をモロに受け、第1四半期決算(発表6月29日)は19.9%の減収で利益はすべての段階で赤字という危機的状況だった。しかし「リ・ボーン」戦略は、9月29日発表の第2四半期(2月21日〜8月20日)で大きく花開いた。売上高は前年に比べ3.8%の減収ながら、営業利益は同11.3%増益、経常利益は同12.2%増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は9.5%の増益になった。さらに12月28日発表の第3四半期(2月21日〜11月20日)では、売上高4044億円5300万円(同2.6%増)、営業利益311億6100万円(同64.5%増)、経常利益319億6800万円(同64.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益215億5100万円(同70.5%増)という、驚異的な数字を叩き出して、回復軌道に乗ったことを印象付けた。これがコロナ下で達成されたことにしまむらの底力を感じる。在庫管理でのサプライヤーと連携した短期生産サイクルの活用、部門別の予算配分の機動的見直しなどで、効率的な在庫コントロールが可能になったとしまむらでは分析している。ちなみに同社が新たな販売チャネルとしてECを開設したのは昨年10月である。EC化推進を第一目標にして不振脱却を目指すアパレルメーカーが多いが、在庫ロス・販売ロスの見直しという根本的は施策を忘れていないだろうか。これは前述した西松屋チェーンでも同様で2017年2月期に史上最高益をマークした後に業績が低迷した後で、在庫・販売ロスをなくしさらなるローコスト経営を推進したことで、コロナ下でも業績が浮上している。しまむらと合わせ見習うことが多いのではないだろうか。

※「SEVENTIE TWO」ファッション&アパレル関連100銘柄
BASE、ロコンド、メルカリ、島忠、スノーピーク、西松屋チェーン、イオン、クロスプラス、ファーストリテイリング、エニグモ、しまむら、ニトリホールディングス、ZOZO、アシックス、ドウシシャ、タキヒヨー、マツオカコーポレーション、ジーンズメイト、ライトオン、松屋、良品計画、カッシーナ・イクスシー、ゴールドウイン、キング、TOKYO BASE、ワークマン、タビオ、近鉄百貨店、ダブルエー、ルックホールディングス、デサント、キムラタン、ジンズ、セブン&アイ・ホールディングス、ヤマトインターナショナル、アダストリア、ヤギ、ANAP、コックス、はるやまホールディングス、4°Cホールディングス、シャルレ、ナイガイ、ABCマート、千趣会、山喜、ミズノ、丸井グループ、タカキュー、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、グンゼ、井筒屋、フェスタリアホールディングス、ダイドーリミテッド、高島屋、堀田丸正、コナカ、ゼビオホールディングス、ワコールホールディングス、ハニーズホールディングス、三越伊勢丹ホールディングス、バロックジャパンリミテッド、コメ兵、ムーンバット、サックスバー ホールディングス、川辺、チヨダ、パルグループホールディングス、アツギ、パレモ・ホールディングス、エイチ・ツー・オー リテイリング、MRKホールディングス、ナルミヤ・インターナショナル、J.フロント リテイリング、ラピーヌ、ユナイテッドアローズ、ワールド、AOKIホールディングス、セイコーホールディングス、東京ソワール、夢展望、三陽商会、サマンサタバサジャパンリミテッド、TSIホールディングス、青山商事、オンワードホールディングス、グンゼ、ツカモト、ラオックス、自重堂、マックハウス、GSIクレオス、クリーマ、ナガホリ、DCMホールディングス、大塚家具、ながの東急百貨店、カシオ計算機、さいか屋、山陽百貨店、シチズン時計

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