「イット・バッグ」の申し子ケイト・スペード 悲劇の引き金は?
Jun 12, 2018.Tokyo, JP
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*フルラ、マイケル・コース、コーチ、ケイト・スペード・ニューヨーク、サマンサタバサは2016年度決算から抜粋、ロンシャン、トリーバーチは過去のCEOの発言から抜粋
2008年のリーマン・ショック以降消費が縮小する中で存在感を強めていったのがアフォーダブル・ラグジュアリー・ブランドだったが、その代表的な存在が「COACH」と「Michael Kors」で、「Michael Kors」についていえば一時日本だけで100億円規模の売り上げがあった。当時売れたのはアメリカブランドが中心で「FURLA」は特にその恩恵を受けなかった。その後バッグから「Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)」や「Manolo Blanik(マノロ・ブラニク)」など10万円クラスのシューズへとラグジュアリー・ブランド消費は移行し、2017年は「COACH」、「Michael Kors」ともに売上高が前年割れで、「COACH」は「Kate Spade New York(ケイト スペード ニューヨーク)」を、「Michael Kors」は「Jimmy Choo(ジミーチュウ)」を昨年買収し、伸び悩む売り上げをどうにかしようという動き。消費者心理の回復とともにラグジュアリー・ブランドが再び台頭してきたことも、近年の両ブランド成長鈍化の一因となった。
シューズブームも落ち着き、停滞気味かつ飽和状態となっていたアフォーダブル・ラグジュアリー市場で、消費者の目に新鮮に写ったことが「FURLA」が業績を伸ばした大きな要因だろう。