
グンゼは11月5日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は652億7000万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は31億8600万円(同10.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は6億5800万円の赤字(前年同期は29億5600万円の黒字)と、減収、営業減益・最終赤字に転落した。構造改革に伴う特別損失が重くのしかかった格好だ。
同社は収益体質の改善を目的に、10月10日から24日までの期間で希望退職者を募集。82名が応募したことを明らかにした。この人員削減に関連する費用を含む事業構造改善費として、第1四半期に34億円を特別損失として計上、これが今期中間での最終赤字転落の主因となった。
主力のアパレル事業では、「ボディワイルド(BODY WILD)」や「キレイラボ(KIREILABO)」などの下着ブランドを中心に展開。売上高は297億8500万円(前年同期比0.3%減)とほぼ横ばいだったものの、営業利益は2億4900万円(同40.3%減)と大幅に減少した。
グンゼはアパレル事業の抜本的な構造改革に着手しており、生産・物流の効率化を目的に国内4拠点の閉鎖を決定している。対象は、兵庫県朝来市の梁瀬工場と連結子会社の養父アパレル、山形県の東北グンゼ、秋田県の矢島通商の計4拠点。梁瀬工場と養父アパレルは2026年3月末、東北グンゼと矢島通商は同年12月末にそれぞれ操業を終了する予定だ。これにより、同社は生産体制の集約と固定費削減を図る。
また、グンゼは同日、取締役会を開催し、50億円を上限に自己株式を取得することを決定した。140万株を上限に取得し、取得期間は2025年11月6日から2026年3月24日まで。自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は4.05%。
2026年3月期の連結業績予想は、売上高1400億円(前期比2.1%増)、営業利益85億円(同7.3%増)、当期純利益28億円(同55.4%減)を見込む。構造改革費用の一時的な影響を受けるが、来期以降は固定費削減の効果が表面化し、収益体質の改善につながる見通しだ。





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