博報堂と子会社の博報堂プロダクツは2月10日、博報堂プロダクツの元社員による不正が発覚したと発表した。元社員は2016年から4年間にわたって博報堂プロダクツ名義で金券及び商品券の発注を行い、入手した金券及び商品券を現金に換金するなど、不正行為を繰り返し、昨年12月時点で金券及び商品券代金の未払い合計金額は約43億3千万円になった。元社員が換金した16億2千万円は同社で保全したものの、未払い金額から保全金額を差し引いた約27億1千万円が損失となった。当該元社員は1月29日付で懲戒解雇となり、博報堂グループは警察へ相談し法的対応を検討しているという。
博報堂グループは、昨年にも博報堂DYメディアパートナーズの元部長の中島真毅容疑者がテレビCMの制作業務を架空発注し、約7億円を横領する事件が起きている。中島容疑者は2019年9月に懲戒解雇処分となり、昨年11月16日に詐欺容疑で逮捕された。不正に得た金で六本木で豪遊する中島容疑者を『週刊文書』が報じている。
博報堂グループは、再発防止とグループのガバナンス強化のため、親会社である博報堂DYホールディングス内に独立社外取締役をリーダーとする特別委員会を設置し、再発防止策を検討していくとしている。また、換金性の高い物品の取引を当面、原則禁止にする。