
「アグ(UGG)」や「ホカ(HOKA)」を展開する米デッカーズ・アウトドアが、好調な決算を背景に存在感を強めている。1月29日に発表した2026年12月期の第3四半期決算は、売上高が前年同期比7.1%増の19億5754万ドル(約3014億円*)と過去最高を更新。営業利益は8.3%増の6億1436万ドル(約945億円)、四半期純利益も5.3%増の4億8114万ドル(約740億円)と、増収増益を確保した。通期売上高は54億ドル(約8316億円)から54億2500万ドル(約8354億円)を見込む。
決算発表の翌日には、デッカーズ・アウトドアの株価は前日比19.44%まで上昇した。米国内売上高は2.7%増の12億100万ドル(約1864億円)、海外売上高は15.0%増の7億5670万ドル(約1164億円)と国内外で高成長を維持した。今回の決算で市場が注目したのは、数字そのもの以上に成長の中身だ。ブランド別では、「アグ」が4.9%増の13億500万ドル(約2009億円)と安定成長を維持する一方、ランニングシューズブランド「ホカ」が18.5%増の5億3090万ドル(約817億円)と2割近い伸びを記録した。通期では3000億円を超える勢いだ。売上高構成比は「アグ」が約66%と約3分の2を占めるが、「ホカ」は27%と3割に届いていない。だが、成長率、地域分散、用途拡張という観点では、最も伸びしろの大きいブランドと言え、明確に第2の成長エンジンとして存在感を高めている。
「ホカ」の成長は、単なる一過性のブームではない。かつては競技志向の強いランニングブランドとして知られていたが、近年はウォーキングや日常使いまで用途を広げ、厚底と高いクッション性を武器に、パフォーマンスとライフスタイルの境界を曖昧にしたことが、顧客層の拡張につながっている。また、「アグ」が季節性の影響を受けやすいのに対し、「ホカ」は通年型ブランドとして、ポートフォリオ全体の安定性を高めている。
一方で、「テバ(Teva)」などのその他ブランドは55.5%減の2320万ドル(約35億円)と大幅な減収となり、ブランド間の明暗は鮮明だ。だからこそ今回の決算は、「アグ」依存からの脱却が進んでいることを示す内容でもあった。
デッカーズ・アウトドアの株価が決算を受けて急伸した背景には、単なる好決算だけでなく、「ホカという成長ストーリーが見えた」ことがある。「ホカ」は、もはや「アグ」の補完ではない。次の10年を支える主役候補として、市場は評価を始めている。売上高構成比で27%のブランドが今後、どこまで成長を遂げるか注目だ。
※1ドル=154円換算(2月2日時点)








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