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韓国芸能のHYBEが上場来初の営業赤字も、NewJeansが事務所復帰へ

NEWNov 14, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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韓国の大手芸能事務所HYBE(ハイブ)は11月10日、2025年12月期の第3四半期決算を発表した。売上高は7272億ウォン(約799億円*、前年同期比37.8%増)と大幅な増収となり、トップラインは力強く伸びた。一方で、営業利益は422億ウォンの赤字(約46億円の赤字)に転落。前年同期の541億ウォンの黒字から一転し、上場以来初の営業赤字となった。累計での売上高は約1兆9300億ウォン(約2123億円)と好調ながら利益が急落した背景には、戦略的投資の拡大と収益構造の偏りがある。

HYBEの売上を押し上げたのは、コンサート事業の急伸だ。BTSのJINを始め、SEVENTEENやTOMORROW X TOGETHER、ENHYPENなど主要アーティストがワールドツアーを展開し、コンサート売上高は2450億ウォン(約245億円)と前年同期の3倍超に増加。会場規模の拡大、海外公演の拡充によって、ライブ事業がグループ全体の成長を牽引した。

一方で、音楽制作・リリース分野は苦戦した。アルバムのリリースが少なかった影響から、楽曲売上高は1898億ウォン(約208億円)と前年から減少。コンサート偏重の収益構造が浮き彫りとなった格好だ。ツアーの有無やリリース本数に左右される季節性が強い事業構造が、今回の収益のブレにつながったとみられる。

利益を圧迫したのは、戦略的投資の積み増しだ。HYBEは南米の5人組、SANTOS BRAVOS(サントス・ブラボス)や韓国のCORTIS(コルティス)など、グローバルIP化を見据えた新規グループに大規模投資を実施。トレーニング、制作、プロモーションなど初期コストが先行し、短期的に利益を押し下げた。HYBEは中長期でのアーティスト発掘・IP拡張を成長戦略の中心に据えており、足元の赤字は投資フェーズのコストと位置づけている。

一方で、業績にプラス材料となりそうな動きもある。引き抜き問題から発展した内紛によって一時、親会社と対立していたNewJeansが、所属事務所ADOR(アドア)のアーティストとして復帰することが明らかになった。人気グループが再び活動できる環境が整いつつあり、今後のリリース本数やプロモーション再開により、収益改善に寄与する可能性が高い。

HYBEはライブ・音楽・IP展開・プラットフォームと多角化を進める一方で、グローバル競争の激化や投資負担の増加と向き合う局面にある。今回の赤字は成長戦略に伴うコスト先行型だが、来期以降は新規IPの収益化や主要アーティストの活動状況が業績の鍵となる。

*換算レート:1ウォン=0.11円換算(11月14日時点)

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