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「プロデュースを続けるか話し合いはできていない」HYBEからADOR代表を解任されたNewJeansプロデューサーの次なる一手は?

Aug 29, 2024.高村 学Tokyo, JP
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ミン・ヒジン氏の次なる一手は?

韓国の大手芸能事務所のHYBE(ハイブ)は8月27日、取締役会を開催し、子会社のADOR(アドア)の代表でプロデューサーのミン・ヒジン氏を解任したと発表した。後任の新代表には、社内取締役のキム・ジュヨン氏が就任する。

ミン・ヒジン氏は、ADORに所属する5人組ガールズグループのNewJeansの引き抜きや経営権の乗っ取りなどを画策した疑いがあるとしてHYBEと対立。その後、HYBEは業務背任の疑いを理由に地元警察に刑事告訴し、代表解任を要求していたが、ミン・ヒジン氏が解任案を議決しないようソウル中央地裁に申請、この訴えが認められたため5月31日に開かれたADORの臨時株主総会では代表解任の議題は見送られていた。

HYBE側は、ミン・ヒジン氏は社内取締役として留まり、NewJeansのプロデュース業務も継続するとしている。一方のミン・ヒジン氏は、「プロデュースを続けるかどうかについて話し合いはできていない」としており、こうした処遇に対して強く反発している。

5月31日に記者会見を開いたミン・ヒジン氏は、HYBEに対して和解を訴えるなどし、事態の沈静化を図っていたものの、敏腕プロデューサーと大手芸能事務所との対立は泥沼化しつつある。所属アーティストもファンも蚊帳の外で、こうした内紛を招いたHYBEの責任は重い。

ミン・ヒジン氏は、韓国を代表する芸能事務所のひとつ、SMエンタテインメントからキャリアをスタートし、これまでに少女時代やSHINeeらを手掛けてきた。2019年にHYBEに合流すると、2021年にADOR(アドア、ADOR=All Doors One Room)を設立し、NewJeansをデビューさせると瞬く間に大成功に導いた。

ミン・ヒジン氏の手腕は高く評価されており、6月26日、27日に東京ドームで開催した初となるNewJeansの単独来日公演を成功に導いている。メンバーのHANNIは、松田聖子の往年の名曲「青い珊瑚礁」を披露し、衣装や髪型まで当時の松田聖子に寄せて登場し、約5万人のファンとともに初公演を大いに盛り上げた。こうした演出もミン・ヒジン氏によるものだった。

HYBEは、BTSを始め、SEVENTEENやTOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、LE SSERAFIMなどが所属し、2023年12月期の売上高は2兆1780億ウォン(約2396億円)と韓国では最大の芸能事務所だ。今回の解任劇で両者の間にできた対立の溝はもはや埋まることはないであろう。ミン・ヒジン氏がこのまま社内取締役として留まることも考えにくい。

まだ44歳と若く、日本でも知名度が高いミン・ヒジン氏に新たなスポンサーが付く可能性はある。今後、個人事務所の設立あるいは他事務所へ移籍し、新しいグループをプロデュースする可能性もゼロではない。代表を解任されたミン・ヒジン氏が次にどのような一手をみせるのか、自己プロデュース能力をぜひ発揮してほしいものだ。

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