
バン・シヒョク公式インスタグラムより
大手芸能事務所のHYBE(ハイブ)の創業者で音楽プロデューサーのバン・シヒョク(房時赫、Bang Si-Hyuk)が、不正な株式取引の疑いで韓国当局から刑事告発されたことがわかった。韓国の証券先物委員会は7月16日、バン氏が資本市場法に違反したとして、検察に告発したと発表。問題とされているのは、HYBE(当時の社名はBig Hit Entertainment)が2020年に韓国証券取引所に上場する際、株式の売買を通じて不当な利益を得たとされる行為だ。
HYBEはBTSの世界的な成功を受けて急成長し、上場当時の時価総額は約11兆ウォン(当時のレートで約1兆円)にまで膨らんだ。一代で「K-POP帝国」を築き上げたバン・シヒョクは一躍、韓国屈指の富豪となり、音楽業界でも大きな影響力を持つ存在となった。
HYBEにはBTSのほか、SEVENTEENやENHYPEN、LE SSERAFIMなどの人気グループが所属。傘下のADORには、今やK-POP第4世代の代表格とされるNewJeansも所属しているが、専属契約を巡るトラブルに発展している。バン・シヒョクは今年6月、LE SSERAFIMのライブ公演のために来日し、さいたまスーパーアリーナに姿を見せていた。
HYBEを巡っては昨年、韓国のメッセージアプリ大手「カカオトーク」を展開するカカオ(Kakao Corporation)の創業者、キム・ボムス(金範洙)も、HYBEによるSMエンタテインメントの買収に絡む株価操作の疑いで逮捕されており、韓国エンタメ業界における資本取引の透明性が改めて問われている。