
スタイリング剤やヘアケア商品を展開するリップス(LIPPS)の株価が連日のストップ安となった。10月15日の終値3,275円から、翌16日に前日比700円安(−21.37%)の2,575円まで値を下げた。さらに17日には500円安の2,075円(−19.42%)まで下落し、2日間で株価は実に36.6%もの下落となった。上場以来最大の下げ幅で、年初来安値を更新している。
リップスは10月15日、2026年8月期の業績予想を発表。来期の売上高を47億4800万円(前年比7.7%増)と増収を見込む一方で、営業利益は7億500万円(同25.7%減)、当期純利益は4億8900万円(同24.9%減)と2桁の減益を予想した。今期の過去最高益から一転して利益が大きく落ち込む見通しとなったことで、市場では成長鈍化への懸念が一気に高まったようだ。
リップスは2024年6月30日に東証グロース市場へ上場したばかり。「2030年に売上高100億円を目指す」という中期目標を掲げ、コア事業であるスタイリング剤のブランド力を軸に、サロン事業やEC事業の拡大を進めている。近年ではZ世代を中心に支持を得るメンズビューティーブランドとして注目を集めており、店舗展開やコラボ商品の強化などで売上は順調に推移してきた。
だが、利益の伸びが追いついていないのが現状だ。過去最高益から一転して市場の信頼を試される形となったリップス。スタイリング剤市場のトップブランドとして再び成長軌道を描けるかどうか、次の一手が問われている。