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Japan|後編:日本の出版業界で巻き起こる変革の嵐

Apr 29, 2018.久米川一郎Tokyo, JP
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銀座にあるマガジンハウス本社

マガジンハウスの人事異動は、WWDジャパンによれば、木下孝浩・POPEYE(ポパイ)編集長は、総務部に異動し、後任編集長には松原亨・Casa BRUTUS(カーサ ブルータス)編集長がデジタル戦略室室長と兼務し、同誌の後任編集長には、西尾洋一・同副編集長が就く。中島敏子・GINZA(ギンザ)編集長はカスタムプロデュース部部長に就任、後任編集長には河田紗弥・同編集部キャップが就く。大田原透・Tarzan(ターザン)編集長は書籍編集部編集長に就任し、後任編集長には山口淳・POPEYE編集部キャップが就任する。芝崎信明・&Premium(アンドプレミアム)編集長は、第5編集局局長を兼務する。松本和也・カスタムプロデュース部部長はクロスメディア事業局局次長に、北川剛士・メディアプロモーション部課長はGINZA副編集長に就任する。この人事は1月24日付けで発表され、5月発売号から新体制になる予定だ。

冷静に中身を見てみると、ポパイの木下編集長がFAST RETAILING(ファーストリテイリング)へ入社することから生じた玉突き人事のようだ。石﨑社長体制での「構造改革」で社員年俸はピークの半分近くまで減っていると業界関係者。そうした中で、ラグジュアリー・ブランドやSPA企業などへ人材流出が続く。木下編集長下のポパイは業界では評価が高かったが、マガジンハウスでもこうした人物の流出を抑えられなかった。直近のそれぞれの発行部数は「POPEYE」が100,167部、「Casa BRUTUS」が80,833部、「GINZA」が50,000部、「Tarzan」が154,200部、「&Premium」が79,167部である(データは日本雑誌協会より)。

もう一つは出版社の中堅としては、ハースト婦人画報社のデジタル化の旗振り役であったイヴ・ブゴン氏が4月27日付けで退任し、仏コンデナスト社のCEOに就任するというのもショッキングな知らせだった。同社は今年度で8年連続の増益を見込んでおり、ブゴン氏は今年の新年挨拶で「昨年の当社のデジタル事業は全社売り上げの約4割を占めるまでに成長した。この比率を2020年までに50%とするという目標を掲げてきたが、それよりも前に達成できると見込んでいる」と語っていた中での退任だった。同社は3年前に講談社に全出版物の販売業務を委託。つい先日コンデナスト・ジャパンがプレジデント社と同様の業務提携を結んだ。こうした動向の背景には、これまで紙に割いていた人的資源をデジタルに回していこうという意図があるのではないか。出版社にとって販売を全て任せるということは取次CODEを捨てるということに等しく、それは古い考えから言うと出版社としての命を捨てるようなものである。しかしながらそんなことは言っていられない時代になってきているということだろう。

さらに3月31日付で、楽天が取次第3位の大阪屋栗田(2017年3月期売上高802億円)を4月中に買収するというニュースが日経に掲載された。楽天が取次買収で何を目指すのかは定かではないが、とにかく出版流通が大きく変わりそうな予感がする。

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