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編集者岸田一郎、表舞台から退場!?

Oct 5, 2018.久米川一郎Tokyo, JP
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岸田一郎

GGメディアが発行している、元気な「熟年男性向け」雑誌「GG(ジジ)」の生みの親である岸田一郎・編集長が9月22日販売の11月号をもって編集長職を退任。今後はGGメディア社にとどまり、イベントやECサイト運営など新規事業に関わっていくという。岸田氏はセブン&アイ出版が発行する「MADURO(マデュロ)」編集長を経て、「GG」の創刊編集長に昨年就任していた。同誌がターゲットにしている50歳以上のシニア層に変化が現れたのを受けて、今回編集長交代となったという。後任は荻山尚・副編集長。

岸田氏は、1951年4月15日大阪生まれの67歳。たぶんゼロ年代ではこれほど有名な雑誌編集者はいないだろう。岸田氏は日本大学卒業後、世界文化社に入社。「BIGMAN(ビッグマン)」の創刊に参画し、その後「Begin(ビギン)」の創刊編集長、「Car EX(カー エクストラ)」「MEN'S EX(メンズ イーエックス)」の編集長を務め、世界文化社を2000年に退社して、そののち主婦と生活社で創刊し大ヒットしたのが2001年9月24日発行の「LEON(レオン)」。これは熟年男性向けのライフスタイルマガジンとして、大成功を収めた。部数は10万部ほどだが、1冊あたりの広告が5億円を超えていたと言われている。2004年には「LEON」の女性版「NIKITA(ニキータ)」を創刊。その後主婦と生活社の上層部と衝突して2006年に退社。その後同コンセプトの「ZINO(ジーノ)」「KISHIDA DAYS(キシダ デイズ)」「MADURO」などの雑誌、WEBマガジンをスタートするが、軌道に乗らず現在に至っている。

今後岸田氏が雑誌やWEBマガジンの創刊に携わるのかどうかは定かではないが、ゼロ年代の雑誌の世界で一編集者がこれだけ影響力を持つことはなかったのではないだろうか。強いて挙げれば「VERY(ヴェリィ)」(光文社)の今尾朝子・現編集長ということになるだろうが、岸田氏の場合、世界文化社でも主婦と生活社でもセクハラ、新会社へのスタッフ引き抜き騒動などのスキャンダルがあって、組織に馴染まない一匹狼。本格的にその才能が花開いたのは、2000年から2006年の6年間ということだ。編集者のピークというのは意外に短いものだ。

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