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エリオット・ヒル「ナイキ」新CEOへの期待感か 純利益31%減、中国市場9%減でも株価が一時9%急騰

NEWOct 4, 2025.高村 学Tokyo, JP
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米ナイキ(NIKE)は9月30日、2026年5月期第1四半期(6〜8月)の決算を発表した。売上高は前年同期比1%増の117億2000万ドル(約1兆7228億円*)と微増にとどまった一方、純利益は同31%減の7億2700万ドル(約1068億円)と大幅な減益となった。

ブランド別での売上高では、「ナイキ」が同2%増の113億6200万ドル(約1兆6702億円)と堅調だったものの、「コンバース(CONVERSE)」は同27%減の3億6600万ドル(約538億円)と大きく落ち込んだ。

地域別での売上高は、最大市場の北米が同4%増の50億2000万ドル(約7379億円)と底堅い伸びを見せ、欧州・中東・アフリカも同6%増の33億3100万ドル(約4896億円)、アジア太平洋およびラテンアメリカも同2%増の14億9000万ドル(約2190億円)と好調を維持した。しかし、中国市場は同9%減の15億1200万ドル(約2222億円)と苦戦が続き、グローバル戦略の課題が浮き彫りとなった。

2024年10月にジョン・ドナホーの後任として社長兼CEOに就任したエリオット・ヒル(Elliott Hill)は、「すでに成果は見え始めているが、すべてのスポーツカテゴリーや地域、販売チャネルを同じ成長軌道に乗せるにはまだ課題が残っている」と述べている。

なかでも鍵を握るのがフットウェア事業だ。北米市場全体の売上高は4%増だったものの、フットウェア単体では前年並みにとどまった。アジア太平洋およびラテンアメリカも伸び率は1%前後と鈍化し、中国市場では11%減と大きく落ち込んでいる。ランニングシューズ分野では新商品の投入を進めているが、「オン(ON)」や「ホカ(HOKA)」といった新興ブランドの台頭に加えて、「アシックス(asics)」も攻勢を強めており、競争は年々激しさを増している。

一方で、ナイキは株主還元への積極姿勢を維持。23年連続となる増配を継続しており、決算発表前日の株価69.75ドルは、10月2日に一時9.1%高の76.11ドルまで上昇した。新CEO体制によるブランド再構築への期待が高まっているようだ。

*1ドル=147円換算(10月4日時点)

 

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