BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

レトロブームで人気再燃!「ピンクハウス」が表参道に旗艦店をオープン

Nov 22, 2023.茂木美櫻Tokyo, JP
VIEW1030
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

「ピンクハウス(PINK HOUSE)」は、11月23日に東京・表参道に新たな旗艦店をオープンする。場所は2022年7月まで「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」表参道店が店舗を構えていた跡地だ。

ナチュラルなウッド調の店内は、約165平方メートルの売り場面積を誇る。「ピンクハウス」のコーディネートに特徴的な「レイヤード」からインスパイアされたという内装は、まるで屋根裏部屋のようなロマンティックな雰囲気。ブランドの歴史が詰まったコレクションムービーが流れるスペースも備える。

店頭では新作アイテムや表参道店限定アイテムを販売し、アパレルだけでなく雑貨もラインアップする。「ハローキティ(HELLO KITTY)」とのコラボアイテムや、ファッションディレクターの山口壮大が監修する新ライン「ピンクハウス ポッシュ(PINK HOUSE POCHE)」のアイテムは特に注目だ。

2022年に創立50周年を迎えた歴史ある「ピンクハウス」。80年代を象徴するDCブランドが今、新たに表参道に旗艦店を出店することは、昨今のリバイバルブームを象徴する出来事と言って相違ない。

「ピンクハウス」は、1973年にデザイナーの金子功によって設立された。「コム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons)」や「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」などのモード系ブランドと一線を画すメルヘンな世界観でありながら、共に80年代のDCブランドブームの中心的存在となった。大きなリボンやフリルがふんだんに使われ、赤やピンクを基調とした「ピンクハウス」の服は、雑誌「オリーブ」や、松田聖子、小泉今日子ら女性アイドルなど、少女的な「カワイイ」が一大ムーブメントとなっていた80年代前半の象徴と言ってもいい。

しかし、その後の若者ファッションの流行は「渋カジ」や「フレンチカジュアル」へ移行していき、やがて少女たちのアイコンは安室奈美恵に変わる。いわゆる「ギャル」の台頭と共に、「ピンクハウス」はメインストリームからは遠のいた。それでも1995年、渋谷パルコの中にあった渋谷店と代官山店を統合し、ブランドの全てを詰め込んだ「ピンクハウスワールド渋谷店」を、現在「ザラ(ZARA)」渋谷宇田川町店がある超一等地にオープンしたが、その店舗も2002年に閉店。ファンからの熱烈な支持は継続し、コラボレーションなども定期的に発表していたが、一世を風靡した80年代当時の勢いは影を潜めた。

ところが2016年、ラフォーレ原宿のセレクトショップ「WALL」が「ピンクハウス」の取り扱いをスタート。約20年ぶりにラフォーレ原宿に「ピンクハウス」が復活し、「原宿系ファッション」の原点として再びスポットを浴びた。2018年には、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』にて、井川遥演じるキャラクターが「ピンクハウス」の衣装を着用し、さらにブランドの注目度が高まった。その勢いの中、ロリータモデルの青木美沙子とのコラボレーションにより、時を経てロリータファッションシーンで再び人気を集め、その盛り上がりは中国など海外のロリータ層にも広がった。

そして現在、2020年代に入り、古着、喫茶店、フィルムカメラといったレトロブームに伴って、80〜90年代ファッションもリバイバル。「ピンクハウス」のファッションは、ロリータという限られたファッションジャンルに留まらず、再びブームを起こすこととなった。2022年に、『Timeless Pink House ピンクハウス50周年記念展』を代官山ヒルサイドフォーラムにて開催。現在では、フリマアプリなどで、ヴィンテージの「ピンクハウス」のアイテムが数万円の高値で取引されることも珍しくない。

長いブランドの歴史を積み上げ、コンセプトを曲げずに保ち続けてきたからこそ、華々しく復活を遂げた「ピンクハウス」。その情熱が詰まった新しい旗艦店にはぜひ足を運んでみて欲しい。

READ MORE