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Japan|不可解な売掛金未回収と繊維原料販売のレナウン憐れ

Mar 8, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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レナウン本社が入居するTFTビル東館

レナウンの2019年12月決算が発表になった。今回から決算期を従来の2月から12月に変更したために2019年3月1日〜12月31日の10カ月の変則決算だった。既報のように売上高502億(期初予想535億円)、営業損益79億9900万円の赤字(同1億円の黒字)、経常損益77億9500万円の赤字(同4億円の黒字)、純損失は67億4200万円の赤字(同3億円の黒字)。赤字なのはまあ理解できるが、その額がちょっと無視できない数字なので、原因を調べると売掛金未回収だという。未回収金は貸倒引当金繰越53億2400万円を販管費として計上したためだという。

この販売先は恒成国際という香港企業で、売ったものは羊毛、綿花、綿糸、テキスタイルなどの原料だという。アパレルメーカーのレナウンが何故香港企業に原料を販売しているのか甚だ疑問だが、それは置いておくとして、恒成国際の連帯保証社になっているのはその親会社の山東如意科技集団(以下、山東如意)。山東如意はレナウンの親会社でもありその53億2400万円を連帯保証社として子会社のレナウンに払えばよいのだが、「アクアスキュータム(Aquascutum)」「バリー(Bally)」「ライクラ(Lycra)」などの買収で膨れ上がった債務のため前期中には払えなかったのだと見られている。

売掛金を回収できずにいるレナウンが憐れでならない。中国企業の子会社になるというのはこういうことなのかと同情したくなってくる。

「当社には、親会社の山東如意から派遣されているメンバーもおり、取締役全員でこの売掛金の回収を解決する」と神保佳幸レナウン社長。中国のLVMHとの異名もある国有企業の山東如意がわずか53億円の売掛金が支払えなかったというのだが、にわかには信じ難い話である。それにレナウンが山東如意グループの恒成国際に売ったものが羊毛、綿花、綿糸、テキスタイルなどの原料だというが、いつからレナウンは繊維商社になったのか。考えれば考えるほど不可解な決算である。要は親会社の使い走りをやらされているようにしか見えないのだが。最近のコロナ騒動で、どう甘く見積もっても今期の赤字も確実なレナウン、一体どうなっていくのだろうか。バランスシートを見てみたが、レナウンの現金及び預金は前期末わずかに53億円。売掛金を回収しないと確かに危い水準である。もう売る資産もなく山東如意は恐らく助けてくれないだろう。カウントダウンは始まったように感じる。

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