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Japan|希望退職募集を中止したレナウンの甘すぎる企業体質

Oct 17, 2019.久米川一郎Tokyo, JP
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レナウン公式HPより

レナウンは10月15日の8月中間決算発表時に、8月23日に公表していた約150人(全社員の約20%)の希望退職の募集を中止すると発表した。

この8月中間決算も増収はしているが、営業赤字、経常赤字、当期赤字が続いているので、希望退職募集はやむを得ないところだが、なぜ中止したのかと言えば、状況がこの2カ月ばかりの間に「急変」したからだという。まずそごう・西武など主力販路である百貨店の閉鎖計画などがこの2カ月の間に明らかになったのが理由のひとつ。また、オンワードホールディングスなどの同業他社による大規模閉店が発表されており、百貨店などから出店継続要請があるかもしれないというのが2つ目の理由。これらの条件を考慮して、人事計画を再検討するというもの。

しかし、である。ということならばレナウンという会社は、百貨店の閉店計画や同業他社の大規模閉店計画に対する情報が、一般消費者と同じレベルでしか入っていないということになる。こんな馬鹿なことがあるのだろうか。だとしたらまず、情報戦でこの会社はアウトである。中国資本に牛耳られながら赤字をタレ流してノホホンと日常をやりくりしているきわめてモラルの低い会社ということを白日のもとに曝しているのである。

それにそもそも、なにか企業にとって「早期退職募集」というのが侵してはならない経営の最終手段のように考えているのは日本だけではないのか。これに手をつけてしまったら、社長は必ず退任するという暗黙の了解があるように思われる。特に大手上場アパレルではそのようである。しかし、これだけ市場が悪化しているのであれば、「早期希望退職募集」などというのは日常茶飯であって、ビラがいつも社内に刷ってあるような緊迫感がなければ、生き残っていけるはずもないのである。そういう意味でも、中国資本にオンブニダッコしている甘さが感じられるのである。社長も代わったことだし、名門レナウンの奮起を期待したいものだが。

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