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『Women's Health』がEコマースをローンチ!影山桐子編集長が見据える女性の心と体そして地球に心地いい生活とは?

Oct 12, 2021.高村 学Tokyo, JP
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『Women's Health』の影山桐子編集長(PHOTO:SEVENTIE TWO)

フィットネスやウェルネス関連のコンテンツを発信するウェブメディア『Women's Health(ウィメンズヘルス)』が運営するEコマースサイト「Women's Health SHOP(ウィメンズヘルス ショップ)」が、9月15日に本格的にオープンした。「Women's Health SHOP」には、ブランドの公式サイト以外では販売していないスポーツマスクや国産の無添加麻炭を使ったチャコールクレンズなど、編集部員たちが実際に使ってみて本当に良いと思ったものだけがラインアップされている。モノの物販だけではなく、人気講師によるヨガや瞑想などのイベントを編集部が企画し、参加チケットを販売しているのも特徴だ。編集部員ならではの視点は商品カテゴリーにも発揮されており、「心と向き合う」「体を鍛える」「食で整える」「地球を想う」という女性の心と体の健康に関わる4つのテーマに沿って構成されている。

「フィットネスやウェルネスに強いEコマースサイトはまだありません。この分野で多くのファンを持っていることが私たちの強みですから、やらない手はないと感じていました。そして、それを編集部員たちが自分たちの力で作っていくことは自然な姿でもありました」と話すのは、『Women's Health』の編集長で、「Women's Health SHOP」でも陣頭指揮を執る影山桐子氏だ。すでに300点以上のアイテムが揃っているが、編集部員たちが実際に着心地やフィット感を試し、使い方のコツやおすすめポイントをサイト上で丁寧にコメントしている。「編集部の全員がMD担当みたいなものですね。自分たちが見つけてきたブランドや商品ですから、その魅力を一番よく理解しています」と説明する。コロナ禍を経てフィットネスやウェルネスがより注目されるなか、Eコマースを立ち上げた経緯や今後の展開について影山氏に話を聞いた。

SEVENTIE TWO(以下、SVT):フィットネスやウェルネスのマーケットは拡大傾向にあり、『Women's Health』の存在感が増していますね。
影山桐子(以下、影山):昨年、『Women's Health』のPV数が前年比で2倍以上になりました。グーグルのアルゴリズムが変更される度にPV数を下げているメディアがあるなか、『Women's Health』にとってはプラスしかありません。また、ウェブメディアはPV数を追いかけがちですが、『Women‘s Health』は5年前のローンチから読者のインサイトに寄り添いながらフィットネスやウェルネスに 特化して地道に発信してきましたので、マーケットからは信頼できるメディアだと評価されているのだと思います。

SVT:そうした流れのなかでEコマース事業に本格的に参入しました。
影山:今回のコロナ禍によって世の中の変化が一気に加速しました。『Women's Health』はメディアとしてかなりの存在感とボリュームに成長しましたが、5年後も価値ある存在としてみなさんに必要とされるには今なにをすべきで、どういう方向に舵を切るべきかを今年の春ごろから考えていました。その時に出た結論が、PV数の増加に囚われるのではなく、読者との接点を立体的に作り出すということでした。PV数を稼げる記事は簡単に作れますが、それは『Women's Health』のコアなファンが本当に読みたいコンテンツではありません。『Women's Health』として作るべき記事やコンテンツは何かを追求することに注力し、新たなコンテンツを生むために、月間200本あった記事を半分に減らしました。すると、先ほど話したように逆にPV数が増えました。良質な記事は多くの人に求められていることを、その時に確信しましたね。

SVT:記事を作る労力を半分に減らして、その分のアセットをEコマースに振り分けたわけですね。
影山:その通りです。記事のクオリティやPV数を維持したまま、『Women's Health』は全力でEコマースに取り組もうと思いました。メディアでは記事を通してエディターたちの思いや熱意を伝えてきましたが、同じことをEコマースでもやろうと。なぜこの商品がいいのかを丁寧に説明して、『Women's Health』のファンたちに伝えていくことです。今までは編集部内で共有するカレンダーには記事に関連した業務しか記載していませんでしたが、Eコマース用のカレンダーも作り、年間計画、毎月の特集、毎週のテーマといったようにメディアと同じように労力をかけています。使い方や着用イメージを伝えるのに、写真がないものはモデルに着せて全て撮り直しました。撮影班とリース班、原稿班に分かれて2カ月かけてひたすら作り続けましたね。商品を使ってどのようなことができるのか、丁寧に説明をつけることも当社ならではのEコマ―スのやり方だと思います。

SVT:「Women's Health SHOP」はモノだけではなくコトも扱っているのが特徴です。
影山:私たちの読者は『Women's Health』になにを期待しているのか、仮説を立ててアンケートを取りました。メディアとの接触比率がもっとも高いロイヤルファンは、記事よりもイベントに期待していることがわかりました。新型コロナウイルスの影響による自粛期間中は、インスタライブを実施しましたし、オンラインでのフィットネスフェス「LOVE BODY+(ラブボディプラス)」は1カ月間、毎日開催しました。1万人近い方がイベントに参加してくれたのですが、こういったことを期待されているのだとわかりました。「Women's Health SHOP」では、コンテンツを文字や写真、動画だけではなく、イベントや体験を作ることにも力を入れているのはこのためです。

11月5日から3日間、オンラインイベント「New Life New Me」を開催しますが、サイト上で参加チケットが購入できます。AYAさんや栗原ジャスティーンさんなどを講師に迎えて、『Women's Health』ならではのオンラインセッションを開催します。12月には断捨離イベントをやります。不要になった服を送るとそれを発展途上国に届けてくれて、さらに世界の子どもにポリオワクチンが届けられるサービスがあるのですが、断捨離イベントに参加するとこのサービスも利用できます。部屋を片付けながら、社会貢献にも繋がるイベントです。来年にはファスティングイベントも計画しています。

コロナ禍によってウェルネス志向が強くなっています。「Women's Health SHOP」のローンチに合わせて、コンセプトを「心と体、そして地球に心地いい生活」としました。メッセージとして「地球」を入れました。自分の心と体がいかに健やかでも、自分を取り巻く環境が健やかじゃないとやっぱりハッピーではいられません。こうしたメッセージをしっかり伝えたいので、Eコマースにも「地球を想う」というカテゴリーを作りました。断捨離イベントもこんな思いから実施を決めました。環境に配慮するアクションのきっかけになればと思っています。

SVT:今後、「Women's Health SHOP」で強化していきたいジャンルはありますか。
影山:フードですね。ヘルシーな食生活を目指していても、仕事が忙しくて出来合いの惣菜をつい買ってしまい、エシカルやオーガニックにこだわると、高すぎて持続できないといった声がとても多いです。遅い時間まで仕事をしていると、とても自炊する気になれないという人も多いです。心にも体にも地球にも優しい食生活を心掛けていても、いろいろな理由で苦戦しているので、記事だけではなくEコマースでもサポートしていきたいと考えています。いろいろな解決方法があると思うので、メディアとして記事、Eコマースとしては商品と体験など、ありとあらゆる方法で心にも体にも地球にも気持ちいい生活をサポートしていきたいと思っています。

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