・良品計画:−3.1%(既存店−9.4%)
・ユナイテッドアローズ:−2.9%(既存店&EC:−0.9%)
・しまむら:+4.6%(既存店+5.1%)
・アダストリア:−1.3%(既存店−4.1%)
・ハニーズ:−3.8%(既存店−2.7%)
・ナルミヤ・インターナショナル:−12.5%(既存店(−12.1%)
・西松屋チェーン:+4.5%(既存店+1.0%)
・ワークマン:+7.4%(既存店+2.7%)
・伊勢丹新宿本店:+11.1%
・仙台三越:−8.6%
・大丸松坂屋百貨店合計:+1.2%
・阪急本店:+6.8%
・エイチ・ツー・オー・リテイリング:+1.0%
・高島屋各店合計:+3.2%
・西武池袋本店:+8.6%
・そごう・西武全10店合計:+2.2%
・ワールド:−24.7%(EC売上高−19.6%)
ファッション&アパレル消費の傾向が分かりそうな18のブランド、店舗、企業の2月の売上高の前年比をピックアップしてみた。総論で言えば、2月はオミクロン株による第6次感染拡大が続いており、決して小売環境は良くなかったにもかかわらず前年比ではプラスになっている店舗や企業があった。しまむら、西松屋チェーンは、在庫を始めとしたビジネスのここ数年の構造改革の成果が出ているし、ワークマンのようにここ2、3年内に生まれた爆発的なヒット商品が依然として売れているケースもある。
さらに、意外にも「構造不況業種」化しているほとんどの百貨店が前年をクリアしている。その実態を詳しく見ると、都市部の店舗が全体を押し上げているのが分かる。ひとつにはあまりにも数字が悪かった昨年の反動増であることが原因だが、加えてラグジュアリーブランドの好調が要因として上げられる。その恩恵が少ない郊外店舗や地方店は相変わらずそのほとんどは苦戦しているようだ。
大手アパレルではワールドの売上高の前年比−24.7%がショッキングな数字だ。昨年の6月以降の国内小売売上高の前年比の推移を見てみると:
−22.4%→−12.2%→−27.6%→−23.5%→−15.0%→
−5.9%→−7.2%→−5.0%→24.7%(今年2月)
2021年4月月末の小売店舗数は2169店だったが、2022年2月末では1716店舗で453店舗も減少している。店舗集約で構造改革途上であるのが分かる。同社はコロナ禍が本格化しだした2020年6月23日付で同社を再上場させた中興の祖、上山健二現会長から鈴木信輝現社長にバトンタッチを行った。それからすでに2年が経過しようとしているが、依然として不採算店舗のスクラップが行われているのだ。しかし2月3日に発表された第3四半期決算では当然減収ながら、49億9400万円の営業利益および31億3000万円の当期利益を計上している。これにはちょっと注目せざるを得ない。このことに株式市場はあまり反応せずに同社の株価は現在1200円台の底値圏にある。いわゆる百貨店卸売業である大手アパレルとは一線を画した業態転換が進んでいる同社だが、店舗集約を進めながら黒字化を達成した鈴木新社長の手腕はかなりのもので、今後そのことに投資家は気付くはず。株価は上昇必至なのではないだろうか。