
「ヨネックス(YONEX)」ブランドを展開するヨネックスは11月7日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は795億3200万円(前年同期比18.8%増)、営業利益は88億4700万円(同15.0%増)、純利益は63億7100万円(同17.4%増)と、二桁の増収増益を達成。ラケットスポーツ人気の再拡大を背景に、業績は絶好調だ。
経営を率いるのは、2022年4月に就任した創業家5代目社長のアリサ・ヨネヤマ氏。就任からわずか3年で、ヨネックスを再び成長軌道に乗せ、さらに今期は5期連続での過去最高益の更新は間違いないとみられる。
地域別では、日本国内の売上高が312億7800万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は20億7400万円(同8.0%増)と堅調。主力のバドミントン用品が引き続き好調で、テニスカテゴリーでは新製品の投入が奏功した。
一方、最大の成長エンジンとなっているのがアジア市場だ。中国や台湾、韓国を中心に、売上高は409億3100万円(前年同期比26.2%増)、営業利益は60億4400万円(同19.2%増)と高い伸びを記録。国際大会での露出増に加え、現地選手との契約拡大がブランド価値を押し上げている。特に、各国のトッププレーヤーがヨネックス製品を使用する姿がSNSやテレビ中継を通じて拡散され、若年層のファン層拡大につながっている。
北米市場では、売上高が38億7600万円(同24.6%増)と堅調ながら、営業利益は2億8600万円(同13.0%減)と減益。欧州市場も売上高30億8500万円(同8.0%増)と増収を維持したが、営業利益は2億2700万円(同23.3%減)にとどまった。
ヨネックスは同日、通期業績予想を上方修正。売上高を従来の1480億円から1620億円(前期比17.2%増)へ、営業利益を148億円から162億円(同14.3%増)へ、純利益を108億円から116億円(同9.5%増)へと大幅に引き上げた。
成長の背景には、生産体制の拡充もある。ヨネックスは新潟県長岡市の本社工場に隣接して、テニスラケットの新工場を建設中で、2025年12月の稼働を目指す。グローバルで高まるラケット需要に対応し、供給力を強化する狙いだ。
創業から80年を迎える老舗メーカーでありながら、30代の若き社長のもとで大胆な変革を進めるヨネックス。ブランドの歴史に裏打ちされた技術力と、次世代リーダーによる発信力が融合し、新たな成長ステージに入ったようだ。





![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)