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ヨネックスに34歳のアリサ・ヨネヤマ新社長誕生

Feb 16, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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ヨネックスの社長に就任したアリサ・ヨネヤマ氏

スポーツ用品メーカーのヨネックス(東証2部上場)は、4月1日付で、取締役執行役員マーケティング本部長兼グローバル戦略室長のアリサ・ヨネヤマが新社長に就任すると2月8日に発表した。林田草樹現社長は、退任後は相談役に就く。退任は一身上の都合だという。アリサ・ヨネヤマ氏は、米山勉(よねやま・べん)代表取締役会長の長女で、創業者の故米山稔氏の孫だ。ヨネヤマ・アリサ氏は1987年6月28日生まれの34歳。南カリフォルニア大学大学院修士課程修了後、2014年に「.XYZ」のトップレベルドメインを扱う米レジストリーサービスのXYZドットコム社でマーケティングマネージャーを務めた後、2016年にヨネックスに入社した。シニア・マーケティングマネージャー、執行役員マーケティング本部副部長、取締役を歴任後に2021年6月から現職。

また同日付で、国内営業本部を社内カンパニーとして「ヨネックスジャパン」に改組する。ヨネックスジャパンの社長には常務取締役常務執行役員総務本部長の米山修一氏が就く。ヨネックス本社はグローバル向けの製品開発やマーケティング強化に注力するという。アリサ氏が従来務めていたグローバル戦略室長の後任には、現在宣伝部次長のケーシー・ヨネヤマ氏が就任する。

米山一族のファミリー支配が強化されているようにも思える。林田草樹社長は2015年6月23日に、初代社長米山稔(創業者)、2代社長米山宏作(稔氏の弟)、3代目社長米山勉(稔氏の長男)の後に米山家以外の初めての社長に就任した。それから7年。社長の任期としては中途半端な期間である。それも3月31日に決算が終了して翌日には退任という慌しさだ。なにか事情があったのだろうか。今回ヨネックスは社内カンパニーを設立したが、その社長の米山修一氏は創業者米山稔氏(2019年11月16日死去)の弟の故米山隆義の子息である。またケーシー・ヨネヤマ氏は米山勉氏の長男である。なおアリサ、ケーシーがカタカナ表記なのは、アメリカ生まれでアメリカ育ちのためだ。

ヨネックスは1946年米山稔氏が新潟県三島郡(現長岡市)で木製品の製造販売業として創業した。1957年にバドミントンのラケットの製造を始めている。1967年に米山製造所をヨネヤマラケットに社名変更。1971年には現本社所在地の文京区湯島に東京営業所を移転した。さらに1974年に(株)ヨネヤマラケットをヨネックススポーツ(株)に変更して「ヨネックス」ブランドを本格的に使用し始めている。

バドミントンラケットで一躍有名になった「ヨネックス」だが、現在大坂なおみが契約しているテニスラケット、そして今回の北京オリンピックでも大活躍しているスノーボードなどそのカテゴリーを急拡大させている。

2月8日に発表になった第3四半期(2021年4月1日〜2021年12月31日)は、
・売上高:539億7,500万円(+51.1%)
・営業利益:59億7,800万円(前年の47.8倍)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:50億8,100万円(前年の18.8倍)
※今期から収益認識に関する会社基準を採用しており、利益に関しては比較不能だが参考までに算出している。

コロナ禍で低迷した前期決算から一転して、さらに2020年3月期を軽くクリアし史上最高決算を射程に入れている。アリサ・ヨネヤマ社長の誕生でもう一段上の企業に生まれ変わる可能性もありそうだ。新潟県発祥の30代女性社長誕生と言えば、タトゥー社長として2020年3月に32歳で就任して話題になったスノーピーク(本社新潟県三条市)の山井梨沙社長の例がある。山井梨沙社長誕生後のスノーピークの大躍進は話題になったが、アリサ・ヨネヤマ新社長にも大いに期待したいものである。

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