
美容室向けヘアケアやスキンケア製品を手がけるアジュバンホールディングス(以下、アジュバンHD)は10月17日、2026年3月期の中間決算を発表した。売上高は18億5500万円で前年同期比10.8%減、営業利益は2100万円の赤字(前年同期は5500万円の黒字)に転落した。親会社株主に帰属する中間純利益も1500万円(同12.4%減)と減益となり、厳しい中間決算となった。
コロナ禍以降、美容室市場では来店頻度の減少や原材料価格の上昇が続いている。アジュバンHDも例外ではなく、販促費や業務委託費などの販管費を削減したものの、売上減をカバーできず営業赤字に転じた。関西を拠点に、全国の美容室やサロンを販売チャネルとしてきた同社の業績に、構造的な課題が浮き彫りになった形だ。
事業別に見ると、主力のヘアケア事業は「ミューツ ヘア タッチ(muts hair touch)」シリーズなどが堅調に推移したものの、売上高は12億8200万円(前年同期比5.6%減)と前年を下回った。新製品の投入などで新規導入店は増えたものの、サロン業界全体でスタイリング剤の値引き競争が強まっている影響もあったようだ。
スキンケア事業では「トーク トゥ トーン(TOUQU to tone)」や「エーイーリッチ(AE Rich)」などのブランドを展開しているが、売上高は6億6100万円(同15.4%減)と2桁の落ち込みだった。
アジュバンHDは、2026年3月期通期での巻き返しを図る。連結業績予想では、売上高43億6500万円(前期比6.5%増)、営業利益1億2600万円(同0.4%減)、純利益7300万円(同81.5%増)を計画している。