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YouTubeの広告減収が続いている!米アルファベットの23年1〜3月は8%の減益

Apr 27, 2023.平野智香Tokyo,JP
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グーグルの持ち株会社の米アルファベットは4月25日、2023年12月期の第1四半期(2023年1〜3月)の決算を発表した。売上高は697億8700万ドル(約9兆2816億円、前年同期比3%増)、純利益は150億5100万ドル(約2兆17億円、同8%減)だった。

 

YouTubeの売上高は66億9300万ドル(約8901億円)と前年同期比で3%減だった。ユーチューブの昨年1年間の売上高は79億6300万ドル(約1兆590億円)で、2021年の売上高(86億3300万ドル、約1兆1481億円)と比較すると7.8%減少しており、広告の減収が今年に入っても続いていることがわかる。

 

ネット広告の減収は2四半期連続であり、主軸となる事業であったために先行きが不安だ。景気減速に伴い企業が広告にかける費用を抑制する傾向が続いたことに加え、中国の動画配信アプリTikTokなど新興勢力の影響も大きい。

 

さらに、近年いわゆる追跡型と呼ばれる広告への不信感が高まっていることも減収の要因と考えられる。昨年4月、米アップル社が端末の利用者に履歴追跡の承認を求める仕組みを導入し、利用者の7割以上が承認しなかったことが明らかになった。この仕組みにより個人情報保護が強化され、各社は限られた個人情報しか得られなくなった。以前は閲覧履歴から人物像を想定し、個人の好みに合うような広告、いわゆる追跡型広告を表示することによって安定して広告収入を得てきた。YouTubeの広告も追跡型である。今後、限られた情報では、広告表示の精度が下がり、減収に繋がる。ネット広告の大半はこの追跡型と呼ばれる手法であったために、米アルファベットを含む各社は代替方法の確立を急いでいる。また、欧州連合(EU)は、こういった利用者の人種や政治的意見、性的指向など「センシティブデータ」に基づいた追跡型広告を禁じる方針をすでに固めている。

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生成AIにおいてはマイクロソフトが自社の検索エンジンにオープンAIの技術を搭載しグーグルに一歩リードしている。AI搭載によりアクティブユーザーは1億人を超え、アプリの1日あたりのインストール数は4倍になった。マイクロソフトは25日に2023年4〜6月期の売上見通しが市場予想を上回る結果になり好調だ。一方、4月半ばに韓国のサムスン電子が標準搭載の検索サービスをグーグルからマイクロソフトに切り替えるとの観測が浮上し、アルファベットの株価が下落した。

 

さらに、アルファベットの社員6%にあたる約1万2000人の社員を削減すると発表している。広告減収、AI部門での遅れ、人員削減などグーグル・アルファベットを取り巻く空気は不穏に満ちている。

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