ロレアル(L’Oreal)は4月3日、オーストラリア発のスキンケアブランド「イソップ(Aesop)」をナチュラ(Natura & Co)から約25億ドル(約3321億円*)で買収することで合意したと発表した。
「イソップ」は1987年にメルボルンの美容師であったデニス・パティス(Dennis Paphitis)が設立した。ヘアケアシリーズから始まり、スキンケアやボディケアまで高品質なアイテムを取り扱っている。現在、約400店舗を展開する全世界的なブランドだ。2012年には、ブラジルのパーソナルケア化粧品グループであるナチュラに65%の株式を譲渡。2016年には100%の株式を譲渡した。「イソップ」はナチュラの収益の約8%を占め、同グループで最も収益の高い事業となっていた。
サンパウロに拠点を置くナチュラは、パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻に伴うコストインフレが痛手となり、事業のグローバルな展開が厳しい状態にある。今回の買収でナチュラは負債負担を軽減し、中南米における投資計画や「ボディショップ(THE BODY SHOP)」の立て直しなどの他の事業に注力するという。
「イソップ」を買収した、ロレアルグループの最高責任者であるニコラ・ヒエロニムスは「ロレアルは特に中国とトラベルリテールにおいて、『イソップ』の大きな成長の可能性を引き出すことができるだろう」と述べている。
*1ドル=133円(4月4日13時現在)