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西日本スポーツの紙面発行休止ウェブ移行に秘められた廃止コラム2つ

Sep 9, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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「西日本スポーツ」社告より

西日本新聞社(本社:福岡県福岡市)が発行している日刊のスポーツ新聞西日本スポーツが来年3月31日をもって紙面発行を休止し、ウェブサイトを主体とする発行に移行する。発行部数は7万3000部(今年8月)。1955年2月21日に創刊し、1956〜1958年の西鉄ライオンズの日本シリーズ3連覇を契機にして部数を飛躍的に伸ばした。西鉄ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)を3連覇に導いた稲尾和久投手の「神様、仏様、稲尾様」の通称は、西日本スポーツの見出しで表記されたのが最初。「神様、仏様、〇〇様」は一般化して使われている。

同紙の第1面に3行風刺コラム「斜光線」があって人気だったが、球団や選手を中傷することがたびたびあり、読者から抗議の電話が寄せられることも少なくなかった。2001年4月25日付のコラムでは、阪神タイガースの野村克也監督と日本ハムファイターズの大島康徳監督を中傷する記事を掲載。両球団から抗議があり、2001年4月29日限りでこの人気コラムは打ち切りになってしまった。いかにも「熱い!福岡人気質」が丸出しになってしまったようだ。

また同紙には1990年頃にスポーツ新聞では初となる投稿欄「FAXプラザ」が設けられていた。投稿者のほとんどは、ラジオ番組の「ハガキ職員」(面白ネタやイラスト入りのハガキを数枚投稿してその番組のリスナーで人気の常連投稿者のこと)だった。画期的なコーナーだったが、憂さ晴らしで投稿する読者が多かった。ただし投稿者の住所を詳しく載せていた(例えば滋賀県大津市西ノ庄など)ために、投稿者の家に「不幸の手紙」が舞い込んでしまっていた。また1998年に発覚した福岡ダイエーホークスのスパイ行為で正常な状態で紙面を維持することができなくなったという(以上wikipediaの情報)。

こうしたいかにも「熱い!」話題もウェブではたぶん起こり得ないのではないだろうか。地方をベースにしたスポーツ新聞には淘汰の大波が押し寄せているようだ。

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