
ANAは7月3日、2027年に創立75周年を迎えるのを機に、制服を刷新するとし、起用するデザイナーを発表した。デザインは運航部門、接遇部門、機能系部門の3カテゴリーに分けられ、それぞれの分野で高い専門性を持つデザイナーを起用する。
ANAの制服は、1955年に客室乗務員6名のために初めて用意され、米空軍の婦人服をモデルにしてデザインされた青色のツーピースと開襟シャツ、ベレー帽の組み合わせだった。客室乗務員の制服は、これまでに芦田淳、三宅一生、田山淳朗といった日本を代表するファッションデザイナーたちが手掛けてきた。グランドスタッフの制服は1968年に初めて導入している。
今回、運航乗務員の制服は、「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」のクリエイティブディレクターや「ユニクロ(UNIQLO)」のデザインディレクターを歴任した滝沢直己が担当する。滝沢直己はこれまでに金沢21世紀美術館のスタッフユニフォームやヤンマーの農業ウェアなどのデザインも手掛けてきた。現在は、「無印良品」の衣服・雑貨部企画デザイン室長も務めている。滝沢直己は「パイロットのユニフォームデザインとは、全ての旅行者にとっての心の安心の一つの要素だと思います。そのように誰からも愛され、着る人の誇りの象徴となる一着をデザインを通じて実現できればと思います」とコメントしている。
客室乗務員や地上旅客係員などの接遇部門は、LVMHプライズを日本人として初めて満場一致で受賞した「セッチュウ(SETCHU)」のデザイナー、桑田悟史が手掛ける。「機内で働く方々が快適に仕事できること、そしてお客様に安心と心地よさを感じていただけるようなデザインを心がけたいと思います。私にとって飛行機は、夢や希望を乗せて、まだ見ぬ世界へ連れて行ってくれる特別な存在。そんなANAの翼を担う一員として、誇りを持っていただけるような一着を、心を込めてお仕立ていたします」と意気込みを語っている。
整備士やグランドハンドリングスタッフなどが着用する機能系部門の制服は、世界的なスポーツブランドである「アディダス(adidas)」が担う。アディダス ジャパンの萩尾孝平社長は「ANAのブランドを体現する社員の皆様が、自信と誇りを持って業務にあたることができるよう、アディダスがスポーツシーンでアスリートに提供しているテクノロジー、そしてデザインを通じて貢献できることを楽しみにしています」と述べた。
ANAグループの新たな象徴となる制服として、創立75周年に合わせた2027年度下期に導入予定としている。