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土俵際のアツギに問われる「ストッキングを脱ぐ覚悟」【いづも巳之助の一株コラム】

NEWJul 31, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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今回のアツギの決算で「継続疑義の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在」って書かれている。これを読んだ瞬間、「あーあ、素通りだな~」と思った方、まあ巳之助の話を聞いてくださいよ。

まず特異な話として、株価が依然として1000円以上をキープしている。もうちょっと中身を見よう。現預金が50億円もあり潤沢。そして、海老名市にある広大な自己物件を持ち、自己資本比率は77%程度。「資金のある赤字企業」と言ってもいいほど、構造改革次第ではイケるかも。それに時価総額は200億円しかない。黒字になり、将来の収益モデルが見えたら、株価はドーンと跳ねるよ、この会社!

さあ、ビジネスの中身を見てみよう。アツギと言えばストッキングだけど、そのストッキング事業が最大のネックになっている。7期連続の営業損益の主要因だ。もはやストッキング事業は前年比17.9%減の大幅減収で、6億円も営業赤字だ。

一方、インナーウエアが売上シェアの47%の事業になっていて、売上前年比がプラス10.5%に成長。その中でも自社EC、つまり流行りのDtoCがヒットし、粗利も高いときている。ちょい計算すると、このセグメントで5ポイントだけ自社ECの比率が上がったら、営業黒字1億円になるよ!やったー、復活が見えてきた。

普通だったら、じゃあストッキングは縮小で、インナーウエアは大々的にやるぞ!という事になるが、ここからがこの企業の最大の難所なんだよ。

つまり「アツギはストッキングの会社だから、縮小できない」というプライドが絶対あるからだ。だから、決算短信にも、「今後ストッキング事業は赤字なので縮小します、今後は構造改革します」なんて、全然書いてないもんね。

そうすると、今後のポイントは
①レッグウエアの方向転換
②インナー中心の収益構造をやる
という話が出てくれば、絶対「買い」のシグナルが点灯する可能性が高い。

アツギは、もともと繊維製品の開発と加工に技術的なストロングポイントがあり、トレンドの機能性ナイトウエアや介護のインナーとか、女性特有の機能的インナーに絶対スライドできる。だったら、もうストッキングに固執せずに新しい創業を目指した方がいいんじゃないかなー。

という事で、この会社は「ストッキングを脱ぐ覚悟」が本当にあるかどうかを見極めてから考えたいね。社長!期待してます!

▶巳之助メーター 2ニョロ 監視だ
「ストッキングからの事業スライド」を社長が宣言したら、即、打診買い。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)

■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

 

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