もっとも2025年度に関しては、逆に押し上げ要因もある。東京ドーム公演と全世界同時配信は、Perfume最後の特需となるだろう。ファンの「見納め需要」は旺盛で、配信視聴者が数十万人規模となれば追加数億円が積み上がる。つまり2025年度は「最後の輝き」でむしろ上振れする可能性が高いな。
▷埋める力
では2026年度以降の穴はどうか。ここで浮かぶのが吉沢亮主演の『国宝』だ。公開7週で興行収入68億円を突破し、映画部門の大黒柱に成長。俳優の力で収益と話題を牽引する姿が鮮明になった。さらに福山雅治、サザンオールスターズ、星野源ら安定的にドーム級を埋められる大物も健在。IVEのような次世代アーティストや、舞台・配信事業などの新しい収益モデルも芽吹いている。Perfumeの空白を一気に埋める存在はまだないが、複数の柱で補える構造はあるんだよ。
▷中期経営計画とガバナンス
アミューズの中期経営計画はROE8%、PBR1倍超を目標に据え、アーティスト発掘・グローバル育成を重点施策に掲げる。さらにガバナンス体制も強固だ。カンパニー制の導入で責任と執行を明確化。社外取締役や監査役に会計士・弁護士を配置し、社長直轄のガバナンス委員会や内部通報制度「アミューズクリーンライン」まで備える。
Perfumeの休止が「戦略的休止」として成立するのは、この枠組みがあるからだ。通常なら主力タレントの休止は経営リスクに直結する。しかし、アミューズはガバナンスに守られた環境があるからこそ、タレントは安心して休み、次の挑戦に備えられる。これは企業としての力だと思うよ。
▷芸能を企業として続ける難しさ
芸能ほど浮き沈みの激しい産業はない。ある時は数万人を動員しても、ある時は空席が目立つ。まさにポラリティの高い事業だ。だからこそ、ビジネスモデルを語るより「自由なクリエイティブ環境を企業として保証すること」が何より重要だと巳之助は思う。芸能を企業として継続する難しさを正面から受け止める姿勢こそ、株主にとっての安心材料になる。
▷株価は割安か?
現在の株価は2,000円台。直近EPSはおよそ154円、PERは13倍強、PBRは1.2倍程度。エンタメ株の標準レンジ(PER10〜15倍)から見れば割高ではない。むしろ、2025年4〜6月期の時点で通期予想の93%を達成している実績、吉沢亮『国宝』やPerfume東京ドーム特需を考えれば、割安感は十分にある。次の一段高は2,200〜2,500円レンジ。発射台は「上方修正」「増配」「新スターの登場」だ。
巳之助は「Perfume休止で減益リスクに備える」か「吉沢亮や新スターの芽に賭ける」かで少し迷うけど。
NISA Bros.よ、どう考える?
▶巳之助メーター 2ニョロ ジッと監視
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
新たな買い時は「新しい柱」が市場に認められた時
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。